内容説明
古代インドからペルシア、エジプト、ギリシア、ローマにおける民衆の心性・神話を壮大なスケールで総合したオリエント・ルネサンスの嚆矢。大歴史家による、キリスト教の『聖書』をこえて新たに作り出すべき全人類のための新たな普遍的“聖書”の試み。
目次
第1部 光の民(インド;ペルシア;ギリシア)
第2部 夕闇、夜、薄明の民(エジプト、死;シリア、フリュギア、無気力;バッコス=サボス、その化身、僭主;続き―サボスの化身 軍事的バッコス祭;ユダヤ人、奴隷 ほか)
著者等紹介
ミシュレ,ジュール[ミシュレ,ジュール][Michelet,Jules]
1798‐1874。フランス革命期にパリで民衆の子として生まれ、ナポリの思想家ヴィーコの影響のもとに歴史家となり、コレージュ・ド・フランス教授等を歴任。『フランス史』『フランス革命史』ほかの歴史書、『鳥』(1856)『虫』(1857)『海』(1861)『山』(1868)といった自然をめぐる博物誌的エッセイ、『民衆』(1846)『女』(1859)など同時代の社会をめぐる考察など厖大な作品を遺し、フランスでは単なる歴史家の枠を越えた大作家として、バルザックやユゴーと並び称されている
大野一道[オオノカズミチ]
1941年東京都生まれ。1967年東京大学文学部大学院修士課程修了。現在中央大学教授。専攻は近代フランス文学
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感想・レビュー
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彬
6
うーん期待していたものと違った。確かに多くの宗教を取り扱ってはいるのだが、それは時代的なものもあるのかかなり一方的な見方で西欧を鼓舞するのが主な目的なように思えてしまう。というかエッセイのようなものだ。思っていたのと違ったのでどうしても集中して読めなかったが(というか流し読みしてしまった)、その時代の考え方の一端を知るのにいいと思い直すことにした。たぶんこれは現代にも多少共通する思考となっているんじゃなかろうか2012/11/15
Yosuke Saito
0
オクシデントからオリエントまで各宗教について扱っている。工藤庸子氏の『ヨーロッパ文明批判序説』に本書の目指すところと、それに対する言及が見られる。2011/12/13