内容説明
1932年―イギリス大帝国の貴族階級は、過去の栄光をひきずりつつも「勝ち組」と「負け組み」にはっきり分かれていた。イギリス郊外のカントリーハウス「ゴスフォード・パーク」を所有するウィリアム・マッコードル卿は、工場を経営する「勝ち組」貴族。主催したパーティーには様々な上流階級とその召使たちが集まった。食事とおしゃべり、雉撃ちに興じる週末のはずであったが、それだけでは終わらない。ウィリアムから経済援助を引き出そうとする「負け組み」貴族達。形ばかりの格式にすがろうとする貴族の虚栄を、辛らつな目で眺める召使達。静かにクライマックスを迎えたパーティーの夜、ウィリアム卿は何者かの手によって二度殺されてしまう。誰が犯人でも不思議ではない閉じられた世界「ゴスフォード・パーク」。複雑な人間関係がからみあいながら、やがて階級を超えた悲しい過去が明らかにされていく…。
目次
1 到着
2 午後のお茶会
3 初日のディナー
4 熱いミルク
5 キジ狩り
6 思慮分別
7 チャーリー・チャンが現実に
8 偽りの素性
9 ジェニングスの照会書
10 メアリーの疑問