出版社内容情報
学習者中心の言語教育に関心が高まる中、学習者の学習ストラテジー研究という新しい分野から生まれた外国語教育理論専門書である。しっかりとした理論に基づいた数多くの実践的提案を取り込み、言語学習、外国語学習は勿論、一般学習の理解も深める参考書として評価が高い。
目次
第1章 言語学習ストラテジーとは何か
第2章 言語学習のための直接ストラテジー
第3章 四言語技能への直接ストラテジーの適用
第4章 総合的学習に必要な間接ストラテジー
第5章 四言語技能への間接ストラテジーの適用
第6章 言語学習ストラテジーの評価と訓練
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
isao_key
7
言語学習ストラテジーは、学習者の自律学習に基礎を置き、コミュニケーション中心の外国語教育とその能力を評価する言語運用中心の教育のこと。本書はこの分野における筆頭の本で、必ず論文に引用されている。言語学首ストラテジーの理論から、具体的な活動まで幅広く網羅している。リバースの調査(1981年)によると、大人はコミュニケーション時間のうち、聴解に40~50%、会話に25~30%、読解に11~16%、文章に9%使うという。自尊心を支える肯定的思考は、さまざまな態度を反映し、その態度が学習者の動機付けを持続させる。2017/01/19
Nobu A
3
1990年に英語出版され、1994年に翻訳された購読本を読了。27年の隔世の感は否めないが、当時の言語教育を想像しながら後半は流し読み。誰もが知らずに使っている学習ストラテジーを学習言語そのものに関係する直接ストラテジーとメタ認知、情意、社会を通しての間接ストラテジーと大別し、そこから細分化したものを解説。ストラタジー使用の評価や訓練法まで及び、体系的に復習するのに役に立った。教室でもどのようなスタラテジーがあるのかを上手に言語化し、学習者に意識させる必要性を感じる今日この頃。2017/05/19
宵子
2
修論で必要なので、かなり早足で読んだ。学習ストラテジーについて書いた先駆けの一つとも言える本。実用例&調査アンケート例も多いけど、今そのまま使っていいかはちょっと考える時もある。個人的には間接ストラテジーに関心がある。でもこの本が書かれた当時(二十年くらい前)はストラテジー教育が一般的ではなかったのは意外だった。2014/11/20