感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
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イカれたテクノロジー系ポルノポエムとしか言いようがない。技術がいかに発達して表面上は無機物に見えようとも、社会というのは有機的な性質を内包する(主人公は道を流れる車を見て血液を想像する)。これはフェティシズムの物語である。車と車との衝突に性愛を見出し、正面衝突にまつわる顔面の傷や凹みに凹んだ車体にまでエロティシズムを感じるのである。生活の全てが自動車事故に絡め取られていく。行き着くところまで行き着いた彼らは、命までをも正面衝突に捧げたいと思うのであるが、フェティシズムの観点からは極めて正常な思考といえる。2023/12/21
加藤
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『パンとバスと2度目のハツコイ』がどエロい映画であることがわかる。ヴォーンが無垢尻を所有しているのは何?ジャック・タチ『トラフィック』の政治性が際立つ。テクノ・エロティシズムよりむしろ、しるしの欲望が身に残った。ペヨトル工房の単行本は判型がイイね。"ある意味で、ポルノ小説とはもっとも政治的な形のフィクション、人がお互い同士を一番てっとり早く、容赦なく利用し、搾取するやり方について扱う小説だ、と言うこともできるだろう。"2022/03/15
fest@蔵書整理中
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こっちがペヨトル工房版のはず
hata2
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SFかと思って読み始めたら、アブノーマルなポルノ小説みたいだった。2012/06/17
kimumaki
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デビッド・クローネンバーグが映画にしたJ.G.バラードの『クラッシュ』を読む。1973年、ワタシが生まれる前に書かれた作品だとは思えなかった。車の衝突でエクスタシーを感じるようになっていく主人公。今でも十分きわどいし、古さも感じない。『J.G.バラードの千年王国ユーザーズガイド』でも思ったが、この人の文章は古さを感じない。SF作家ってそういうものなんだろうか。この人が特殊でそういう才能を持っているからなんだろうか…?そしてクローネンバーグが好きそうだなぁというのも十分分かった。他の作品も読んでみよう。2006/05/11