内容説明
元祖「あまちゃん」、僅か50秒に命をかける。久慈小袖から玄界灘の小呂島まで、日本各地の海女をたずねる著者のまなざしはやさしい。持続可能な海女漁業を、世界に誇る漁撈文化として海女への賛歌がこの1冊に充満している。
目次
第1章 『万葉集』の海女、俳句に詠まれた海女(『万葉集』の海女、ほか;俳句に詠まれた海女)
第2章 海女を訪ねて、にしひがし(久慈、小袖再訪―ワカメ漂う岸辺;東京娘が海女になった話;下田で聴いた海女漁の話;命果てるまで―熱海の海に;志摩志島で海女に会う;姉妹二人、とまい船で潜く;イセエビをつかむ海女;本州西の果てで;豊後水道波高し;玄界灘の孤島に生きる)
第3章 海女、このすばらしき人たち(海女文化を守る;このいとしきもの)
著者等紹介
川口祐二[カワグチユウジ]
1932年三重県に生まれる。1955年早稲田大学卒業。1989年3月三重県度会郡南勢町教育委員会事務局長を退職。在職中より漁村にかかわる実践運動を展開し、70年代初めには、いち早く、漁村から合成洗剤をなくすことを提唱する。日本の漁村を歩き、漁村の暮らしを記録する仕事を続けている。同時に沿岸漁場の環境問題を中心にエッセイを執筆。現在、三重大学客員教授、三重大学の「海女研究会」に所属(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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itokake
7
11か所で海女に取材(岩手県久慈市から福岡県玄界灘の孤島小呂島まで)。多くが語るのは、アワビが採れなくなったこと。「アワビを採ってこそ海女」なのに。減少するアワビに比例し、海女も減っていく。生活排水や伊勢湾台風で磯が荒れたのが原因。海女文化は日本と韓国だけ。共同でユネスコ無形文化遺産登録を目指していたが、韓国が先に申請し登録された。技術は先輩について習うのではなく、個人個人でスキルを磨いていく。ちょっとでも波を立てるとアワビはぴったりはりつき、採れないという。海女が恐れるトモカヅキの話も聞きたかったな。2021/07/06