目次
1章 結婚して(愛し合う喜び、伝え合う大切さ;病気と付き合う妻、妻と付き合う私)
2章 きょうだいとして(長い時を経て、妹が手に入れたもの;弟が、太平洋をとびこえてきた! ほか)
3章 わが子と共に(思春期に発病した娘と共に;息子は今、長いトンネルから抜け出た ほか)
4章 親なきあとへの思い(五〇歳になった息子の将来へのつながりを;家を出てグループホームで暮らす息子 ほか)
5章 家族と私(当事者と付き合う難しさに耐えて;私は生まれた時から、母が好きだった ほか)
著者等紹介
古川奈都子[フルカワナツコ]
高校2年生のときに統合失調症を発病。その後、結婚、出産。各地での講演や執筆活動を続けている。鳥取県で活動している精神病当事者の自助グループ、「柊の会」代表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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のの
11
家族は当事者にとって最大の支援者でもあり、最も影響を及ぼす場所でもある。とはいえどこの家族にもあるように、愛情があったり憎しみがあったりで、その家族ごとの軌跡が描かれていた。この本に登場している家族は共生の道を選んでいるけれど、別離だって選択肢としてはありだろうし、どんな道を選んだとしても生きづらさを感じずに暮らせる社会をつくりたいなあ、と思った。それと同時に、うつ病になったわたしをずっと支えてくれている家族や職場、友人に改めて感謝しました。ありがとう!2012/08/16
けんとまん1007
3
家族、家族の側からの視点、家族への視点、視点を変えていろいろ書かれていて、とても視野が広がる感覚があった。時代が進むに連れて、心を病む人たちへの解釈も変わってくる一方で、無くならない偏見。しかも、それが意外なところで多いということ・・・家族であったり、関連する施設の方であったり・・・本人の方々の思いも複雑であるようだ。実際、そういう方たちとの接点を持つこともでてきたので、改めて考えるべきことがたくさんあることを痛感した。ただ、簡単なことではないことは、言うまでもない。2012/08/26
ミランダ
0
夫、兄弟、親など、さまざまな立場から当事者への想いが綴られていた。家族による支援こそ最大の薬であり、支援者である家族の心のよりどころとなるのが、周囲の人々、特に同じ境遇の人達が集まる地域の家族会だ。当事者への継続的な支援が必要だからこそ、最大の支援者である家族が継続的に支援できるような環境、例えば支援者の心の問題や当事者を取り巻く環境を整えていく事などが大切なのかなーとおもった。2012/06/17