内容説明
ワタリウム美術館で開催した「ブルーノ・タウト展」を記念し、ついに本書刊行。スケッチ集『画帖桂離宮』、ユートピアの世界『アルプス建築』、ベルリンの集合住宅(ジードルング)を中心に、タウトの代表作約200点を一挙に掲載。展覧会のための書下ろしテキストも収録。
目次
絵画から建築へ
ベルリンの住宅計画
建築とユートピア
日本美への志向
画帖桂離宮
トルコにて
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Koki Miyachi
1
吉田鉄郎を評価した建築家ブルーノ・タウトの一生。ドイツのジードルング建築で有名だった認識しか無かったけれど、波瀾万丈の人生を知った。建築や芸術に向かう真摯でストレートな態度は、吉田鉄郎にも通じるものがあり、二人の親交も必然だったのだろう。アルプス建築というユートピア建築を夢見る一方で日本の再評価という日本の建築界にとって重要な役割を担っている。吉田鉄郎と桂離宮の評価。一番印象に残ったのは、日本の友人への書簡と桂離宮の感想を記したスケッチブック。気持ちが籠っている美しい文章とスケッチに彼の純粋さを感じた。2012/09/27
アキコ
0
2007年にワタリウム美術館で開催された「ブルーノ・タウト アルプス建築から桂離宮へ」展を編集した本。ブルーノ・タウトは京都の桂離宮を「泣きたくなるほど美しい」と絶賛した人。その程度の知識でこの本を読んだので、ブルーノ・タウトの建築や、その考え方を知ることができました。特に「ユートピア思想」は興味深いです。p84の「終戦の兆しの見えなかったヨーロッパの戦争は、理想化された東洋に人々の目を向けさせた」という記述が、当時の世界を考えさせられます。2015/06/22
ゆり
0
ブルーノタウトの建築は洗練されている。建築こそ自然の一部で、人間に何か訴える力がある。アルプス建築はみていて楽しい。もっと知りたい!2014/05/08
インテリ金ちゃん
0
「画帖桂離宮」が印象的だった。「単純のなかに芸術がある。」2014/05/06
びす子ちゃん
0
一連の、アルプス建築の絵の美しさ。計画図というより物語絵巻のように。秘められた詩のように。桂のスケッチや和紙の手紙も美しく、実際の建築設計よりも、タウトの平面における表現の美しさに感嘆する本。2018/12/13