経済学の再生―道徳哲学への回帰

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  • サイズ B6判/ページ数 220p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784892054488
  • NDC分類 331.74
  • Cコード C3033

内容説明

経済学に倫理学の視点を導入、「道徳哲学としての経済学」の樹立を目指す古典的名著!アジアで最初のノーベル経済学賞受賞者、セン教授(ケンブリッジ大学)による根源的問題提起の書。

目次

第1章 経済行動と道徳感情(二つの起源;成果と弱点;経済的行動と合理性 ほか)
第2章 経済的判断と道徳哲学(効用の個人間比較;パレート最適と経済的効率;効用、パレート最適、厚生主義 ほか)
第3章 自由と結果(豊かな生、行為主体、自由;多元性と評価;完全性の欠如と過剰な完全性 ほか)

著者等紹介

セン,アマルティア[セン,アマルティア][Sen,Amartya]
1933年、インドに生まれる。53年、カルカッタ大学卒業。59年、ケンブリッジ大学で経済学博士号を取得。デリー、LSE、オックスフォード、ハーバード各大学教授を歴任。98年よりケンブリッジ大学トリニティ・カレッジ学長。98年度ノーベル経済学賞受賞

徳永澄憲[トクナガスミノリ]
1952年、愛媛県に生まれる。1982年、筑波大学大学院社会科学研究科博士課程修了。1992年、ペンシルベニア大学大学院博士課程修了(Ph.D.)。麗沢大学教授、名古屋市立大学教授を経て、現在、筑波大学教授・麗沢大学講師

松本保美[マツモトヤスミ]
1948年生まれ。1974年、早稲田大学大学院経済学研究科博士課程修了。1982年、オックスフォード大学社会科学学部大学院博士課程修了(D.Phil)。日立製作所システム開発研究所、国連貿易開発会議(UNCTAD)、麗沢大学教授などを経て、現在、早稲田大学政治経済学部教授

青山治城[アオヤマハルキ]
1951年、福井県に生まれる。1982年、筑波大学大学院社会科学研究科博士課程修了。現在、神田外語大学教授
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

roughfractus02

2
効用関数に従い、自己の利益のみを追求する経済人の合理性概念では捉えられない、他者への苦しみへの関心が直接的に自己に影響する「共感」と、自己には関わらないが他者の苦しみを不正と考えて手を差し伸べる「コミットメント」--つまり潜在能力が、むしろ経済人概念を構成する土台にある点を本書は明かす。自己中心的な厚生や成功への目標に関する経済人の期待値には、それを選択する際の苦しみに対する機能(なしうること)を動機づける「共感」と「コミットメント」がすでに含まれる、と著者は言う。経済学は倫理学的に再生可能なのである。2020/07/03

えむ

1
経済学者、センによる講演の翻訳。分量も少なく一見読みやすそうで、実際数式やグラフなども出てこないが、経済学の抱える問題を内在的に指摘するため、経済学に対する一定の理解が必要とされる印象を受けた。2019/02/11

活火山

1
彼の膨大な著作の中で、センの考え方の見取り図を知るのに適した本。経済学における倫理の必要性(合理的個人を狭くとらえることの問題提起)と倫理学における経済学の有用性を説く。こう書くと、「ノーベル賞経済学者ですら経済学の合理的個人象を根本から批判している(=だから経済学はダメ)」と思う人がいるかもしれないが、本書からはむしろセンの経済学的思考の有効性に対する信頼が、読み手にも説得的なかたちでみてとれる。本書から彼の経済学や倫理に関するそれぞれのより専門的な本に進むのがよい。2014/01/28

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