内容説明
自己とは何かを深く問い、究極のリアリティの直接体験をめざした「永遠の哲学者」達。本書は、古今東西の神秘思想家の心に残る章句をテーマごとに集め、ハクスレー自身の解説を加えた珠玉の箴言集である。
目次
汝はそれなり
人格・聖性・神の化身
世界における神
宗教と気質
思寵と自由意志
不死の死後の生
祈り
宗教はかくも大なる禍を生じえたり
奇蹟
儀式・象徴・秘蹟
霊的修行
忍耐と規律〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
なっぢ@断捨離実行中
7
『恋愛対位法』や『すばらしい新世界』の文明批判を経て神秘主義に傾倒した後期の作品。基本は古今東西の宗教家の膨大な引用で持論を補強していく論述方式。井筒俊彦レベルの博覧強記を期待すると肩透かしを食らうかもしれないが、組織宗教が一貫して無視ないし抑圧してきた神秘主義を神との合一として整理していく手付きは共通性がある。マルクスやフロイトの洗礼を受けた知的な現代人は貨幣や(浅薄な)言語(観)を倒錯と見做しそれを斥けようとするが、神秘主義のリバイバリストたちは単線的な時間観念こそが倒錯であると更に過激な主張をする。2017/07/13
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- 和書
- 鴎外の婢 新潮文庫