目次
第1章 パリへ―大衆・ドラマ
第2章 パリで(一)―新たな公衆の創出・新たな文学の創出
第3章 パリで(二)―怪物のあぎと
第4章 「“文芸”のようなものが存在するのか」
第5章 マラルメの文芸共和国
第6章 祝祭としての文学
著者等紹介
佐々木滋子[ササキシゲコ]
1948年、東京都に生まれる。横浜市立大学文理学部卒業後、東京都立大学大学院人文科学研究科博士課程満期退学。現在、一橋大学教授。専攻、フランス文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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wanted-wombat
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初マラルメ(に関する論考)。 著者が割と丁寧に書いてくれているため、何とか読み終えることができた。とは言っても、けっこう難しいことに違いはない。 「祝祭」としての文学、という視点でマラルメを読む著者の論には、なるほど納得できる読みだと思った。 労働力の再生産としての文学。自分にも当てはまっているような気がしないでもないが、口に出すには恐れ多いですすみません。 マラルメに関する他の論考もぜひ読んで見たいと感じました。2012/09/09
rien
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マラルメの批評テクストを読み解くその手際に感心、関心。フーコーに関する著書もある佐々木滋子のまなざしは1870年以降の詩人の企ての意義を鮮やかに、また批判的にも照らし出しているように思われる。バタイユの「至高性」概念を援用しつつ、マラルメの問題意識を抉りだす箇所他、多くの独創的かつ優れた知見に満ちた一冊。刮目して読むべし。そして我々読者もまた本書の結句をしっかと受けとめる必要があろう。2012/03/15