内容説明
ランボーとの“恋愛”、放埒と困窮…男たちを愛し、女たちに恋した詩人の矛盾に満ちた栄光。
目次
胎児と幼児
学問、入門、詩作
初恋
喪と酒
パリの乱痴気騒ぎ
マティルド
婚約そして戦時下の結婚
若夫婦の試練
ランボーという爆弾
マティルドと「ランブ」の間で引き裂かれて〔ほか〕
著者等紹介
トロワイヤ,アンリ[トロワイヤ,アンリ][Troyat,Henri]
ロシア系フランス人作家。1911年、ロシア人レフ・タラーソフとしてモスクワに生まれたが、一家は革命を避けてパリへ移住。フランス国籍を得た。処女作『ほの明かり』がポピュリスト賞を受賞した35年以降、精力的に数多くの小説、伝記、エッセイ等を発表し、フランスでは非常に多くの読者を獲得している。わが国でもすでに数多くの評伝が翻訳、紹介されている。主な著書に『蜘蛛』(1938年、ゴンクール賞受賞)などがある
沓掛良彦[クツカケヨシヒコ]
1941年生まれ。早稲田大学露文科卒業。東京大学大学院博士課程修了。東京外国語大学名誉教授。文学博士。もと西洋古典文学専攻、廃業後、狂詩・戯文の制作に従う
中島淑恵[ナカジマトシエ]
1963年生まれ。東京外国語大学フランス語学科卒業。同大大学院修士課程修了。東北大学大学院博士後期課程単位取得退学。富山大学人文学部助教授。専攻、一九世紀フランス詩(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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星落秋風五丈原
22
『作品と作家は別物』とはよく言うが、やはり読者は二つを同一視しがちだ。だがこの人物に関しては、両者の差は著しくかけ離れている。ポール=ヴェルレーヌ。映画『太陽と月に背いて』でヴェルレーヌを演じたのは、英国俳優デビッド=シューリス。ディカプリオのランボオと比べれば髭面がむさ苦しかったが、それでも辛うじて嫌悪感を抱くには至らなかった。ところが現実の写真-まだ少年っぽさの残るランボォの写真はともかく-を見て、「えっ、この、オデコちゃんのオジサマが!?」と、かなりショックを受けた。2006/08/16
ゆずこまめ
3
とんでもないDV野郎の人生だった。相手の気持ちなんて考えないで、全てにおいて自分は悪くないと都合よく解釈して本気で信じる感覚が怖すぎる。奥さんは高すぎる若気の至りの代償を払わされたなと思う。離婚できてよかったね。 ただこの最低のDV野郎が万人の心に響く美しい詩を紡ぐという人間の不思議であり面白さ。2021/02/03
秋津
1
ものすごく普遍性を持った美しい言葉を、特異な人生を送った人が語るということ。詩人はいつも子供だということ。そんなことを思った。ランボーとヴェルレーヌの詩を改めて読もうと思った。2011/06/09