内容説明
映画史に屹立する孤高の映画作家ロベール・ブレッソン。映画をその根源的なありかたに浄化しようとして、演技を、さらには「表現」をも拒否するかれの「映画テクスト」は、ときにひとびとを戸惑わせもするが、常識や慣習の網目に埋没した映画のあるべきすがたを垣間みせてくれる。「シネマ」から「シネマトグラフ」への転換を軸に、「抵抗」「すり」「ジャンヌ・ダルク裁判」「バルタザールどこへ行く」という4つのテクストをめぐって、映画理論のみならず、美学ないし芸術哲学の観点から、徹底的な解読が企てられる。
目次
序章 理論とテクストのはざまで
第1章 『抵抗』
第2章 『すり』
第3章 『ジャンヌ・ダルク裁判』
第4章 『バルタザールどこへ行く』