叢書記号学的実践
物語のディスクール - 方法論の試み

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  • サイズ A5判/ページ数 405p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784891761509
  • NDC分類 901.3

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ひばりん

15
一般的にはジュネットの主著とされる本だが、『ミモロジック』こそが主著だと思った方がいい。先行する論文「プルースト-パランプセスト」で本質なことは既に書かれているし、細部をみれば読書家の筆まかせで書かれているようにも見えるからだ。たとえば先説法の事例にバルザック『ランジェ公爵夫人』が挙げられているが、バルザック読みならあの冒頭がいかにも特異であることは知っているし、あの技法に何か名前を与えたくなるのも当然だ。ジュネットの方法を吸収するのも大事だが、むしろ「とりあえず概念を創ってみる」姿勢を学んでいきたい。2021/09/28

モリータ

9
「審級」という重要だろうに馴染みのない用語がピンとこず。どのカテゴリー/段階で扱うか、ということなんだろうけど、原語はinstanceでいいのかなぁ。にしてもフランス語知らず、フランス(or西洋)文学知らずの自分には教科書といってもハードルが高かった。せめて英語程度にフランス語が読め、日本の近代文学程度のおさえができていればなぁ。当然戻って読まなければならん箇所も多々あるが、次に「続」に行くかバンヴェニストにいくかは迷うところ。2012/05/24

ラウリスタ~

7
フィギュールⅢの大部分を占める「物語のディスクール」を単独に訳出。よく引用されるフィギュールⅢは、日本語訳では『フィギュールⅢ』ではなく、こっちからのことが多そう。プルーストの『失われた時を求めて』を下敷きとして、物語がいかに語られているのかということを結構体系的に分析している。一昔前の必読書で、今でも読んでおきゃあいい、って感じの本かな。前説法、後説方とか、黙説法、冗説法とかよく論文とか研究書に出てくる言葉がプルーストの文章に即して定義され、説明される。2013/05/11

竹花 樒 - Shikimi Takehana

7
ジュネットはまず、物語をその物語言説、物語内容、物語行為の三つの相に区別する所から出発する。本書の成果としては、特にプルーストの『失われた時を求めて』を挙げて「括複法」のカテゴリーを〈時間〉の範疇で例示したこと、さらに従来「人称」の中に混同されてきた諸問題を「焦点化」の術語を提案し、〈叙法〉と〈態〉の範疇に分け、前者を物語言説と物語内容の関係、後者を物語行為と他の二つの相との関係から論じたことが大きい。〈物語〉の言説に纏わる言語形式に焦点を当て、総合的な方法論を提出して「物語論」を開拓した教科書的な一冊。2011/05/19

nranjen

2
再読。2024/01/23

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