内容説明
バラク・オバマが大統領に就任した時、「戦争のない世界を実現しようとする理想の指導者なのではないか」と多くの人が淡い期待を抱いた。だがオバマはブッシュ政権時代の政策を引き継ぎ、さらに拡大、発展させた。無人機を使った暗殺作戦、特殊部隊を使った対テロ作戦、そしてサイバー攻撃など、秘密の戦争をエスカレートさせたのである。ノーベル平和賞を受賞した黒人初の大統領は、いかにして米国史上もっとも過激な「秘密戦争の司令官」に変わっていったのか?オバマ政権の軍事戦略や秘密諜報活動を詳細に追いながら、オバマの戦争の実像を描く。
目次
第1章 オサマ・ビン・ラディン暗殺作戦
第2章 バラク・オバマの「選択の戦争」
第3章 出ばなを挫かれたオバマ政権
第4章 迷走するオバマの戦争
第5章 CIA対ISIの秘密諜報戦争
第6章 戦略転換と秘密作戦
第7章 偽りのサクセス・ストーリー
著者等紹介
菅原出[スガワライズル]
1969年、東京生まれ。中央大学法学部政治学科卒。平成6年よりオランダ留学。同9年アムステルダム大学政治社会学部国際関係学科卒。国際関係学修士。在蘭日系企業勤務、フリーのジャーナリスト、東京財団リサーチフェロー、英危機管理会社役員などを経て、現在は国際政治アナリスト(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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James Hayashi
21
2013年初版。確かにネオコンに牛耳られたブッシュと異なり平和的な大統領を予想していてノーベル賞まで受賞しているが、実は羊の仮面をかぶったオオカミであった。戦争の最終的権限を握る米国大統領。若さやクリーンなイメージのあったオバマが苦渋の決断をするためあらゆる手段を利用し情報収集し決断をしたことを感じ取れる。とにかく8年間の執務をねぎらいたい。2016/12/15
jj
3
オバマは反ブッシュ・反ネオコン、そして「米国の若者をこれ以上死なせない」約束で大統領となりましたね。地上部隊を派遣させない代わり、少人数の特殊部隊や無人機攻撃による対テロ作戦を推進し、軍隊からCIA特殊部隊による戦闘へ大転換させた訳ですね。ビンラディン殺害作戦は見事成功するも、CIA基地自爆テロ事件、レイモンド・デービス事件の失態で、結局アフガンの泥沼化へ。更に無人機攻撃による一般人巻き込みはテロ勢力拡大に寄与する結果に。現実的に施行されたオバマの政策や撤退法までブッシュと余り変わりなかった訳ですね。2016/06/02
モモのすけ
2
特殊部隊やドローンを使ってテロリスト暗殺を実行するやり方がイスラエルのモサドっぽい。2013/02/20
キミ兄
1
最初に読んだときとは大きく印象が変わり、情報を網羅的に収集していると感じた。惜しいのは、オバマ政権の非合法性に余り光を当てられてないこと。日本での情報収集が中心なのでやむを得ないか。でもよく調べられている。☆☆☆☆。2015/02/06
nody
1
クリアホールドビルトトランジット/選択の戦争/バラウィ受け入れ作戦/無人機攻撃/CoinからCt/偽りのサクセスストーリー/そして何も変わらない/現地とアメリカ、都市部と郊外/ゴールは何だったのか?2013/09/05