内容説明
『日本人なら必ず誤訳する英文』で、全国6万人の英語自慢の鼻を見事にへし折った彼から、新たな挑戦状が到着!「誤読・誤訳に陥りがちな英文・文法」に続いて、今回は「より自然でかつ正確な訳文を当てるスキル」を読者に問う。まさに、翻訳学校やカルチャーセンターで1,000人に及ぶ翻訳学習者と接してきた著者だからこそ書ける内容であり、すべての英語学習者が知っておくべき日本語訳の学習法や、英文を深く読みとるための秘訣を惜しみなく公開するものである。
目次
第1部 翻訳の基本 10か条
第2部 誤訳率50%以上の英文10題
第3部 小説を正しく訳せますか
第4部 『ダ・ヴィンチ・コード』の翻訳に挑戦!
著者等紹介
越前敏弥[エチゼントシヤ]
文芸翻訳者。1961年、石川県金沢市生まれ。6歳から東京に住み、東京教育大駒場中学・高校(在学中に筑波大駒場中学・高校と改称)から、東京大学文学部国文科卒。ゲームセンター従業員、学習塾自営、留学予備校講師などを経たのち、37歳からエンタテインメント小説の翻訳の仕事をはじめる。現在、翻訳学校フェロー・アカデミーと朝日カルチャーセンターで翻訳講座を担当(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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書斎六尺
15
下降する一方の英語力を何とか引きとめようと読み始めた。前著は誤訳率の高い英文が集められていて、楽しみ、悩ませてくれたが、今回は日本語表現に重きが置かれている。英日翻訳は最終的には日本語が全てであり、日本語の質で翻訳のレベルが決まってしまう。また著者は「翻訳に絶対の正解というものはなく...多様な表現を楽しめるのが翻訳の奥深さだ」と云う。通常英文を読むとき日本語を経由せず日本語を意識しない。しかし複雑で難解な文章に頭を抱えて立ち止まる時、単なる英文解釈から翻訳にレベルアップしどんな日本語になるかを考えたい。2013/08/07
みゅうの母
4
翻訳をする上での日本語の作法に重きが置かれています。「誤訳」もいいですが、こちらもインタビューとか読みごたえがあって良かったです。2017/04/29
ごー
4
著者が長年にわたって蓄積した知識と習得した技術。電子書籍版が割引だった時に買ったのが、何だか申し訳ないくらい。英文に続いて生徒の訳文が提示されているので、そこで間違い探しをする。これがなかなか難しい。活字で出されると、間違いなどないように見えるから。ほとんど誤読のない訳文をさらに磨いていく方法も説かれている。「訳してみてはじめて、自分の読みちがいに気づくことはとても多いのです。」本当にそう思う。今まで自分が読んできた英文の、はたして何割が正しく読めていたのだろうか……。今後は気をつけたい。2015/05/11
タイコウチ
4
前著「〜必ず誤訳する英文」は、間違った文法理解に基づく誤読の指摘が中心だったが、今回は英語というより翻訳の完成度にこだわった日本語のセンスが問われる内容。というわけで前著の英文解釈パズルのような楽しみ方(苦しみ方?)はあまりできないが、プロの翻訳者の「日本語としての読まれ方」へのこだわりには身の引き締まる思いがした。個人的には、「日本的でありすぎる」和臭表現を避けるとか、視点や時制の扱いなど、翻訳者が裁量であえて原文との対応の「正確さ」を踏み越える1割か2割の部分の扱いが勉強になった。2011/05/03
壱萬弐仟縁
3
前作「誤訳」よりは、例文がやや長くなっている。第1部基本10箇条、第2部誤訳率50%以上が有用。2013/06/07