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博士漂流時代―「余った博士」はどうなるか?

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  • サイズ 新書判/ページ数 302p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784887598607
  • NDC分類 402.1
  • Cコード C0240

内容説明

1950年代以降、科学技術振興政策によって大量に生まれた「博士」には、なんと就職先がなかった…。かつては「オーバードクター」と呼ばれた彼らのために「ポスドク」という働き口が用意されたが、これも不安定で低収入、しかもその先に研究機関や企業での就職が保証されているわけではない。かくて「博士余剰」問題は未解決のままだ。こうした博士の就職難により大学院進学者も減少、これでは日本の科学技術研究の未来も危ぶまれる。しかしまだ遅くない。日本社会よ、博士をもっと活用しよう!博士の活用は科学技術の発展、そして不況にあえぐ日本の再生につながるはずだ。博士余剰問題を統計データと取材に基づいて考察し、具体的な解決策を提言する希望の書。

目次

はじめに
第1章 博士崩壊
第2章 博士はこうして余った
第3章 「博士が使えない」なんて誰が言った?
第4章 博士は使わないと損!
第5章 博士が変える未来
付録 博士の就職問題について識者に聞く

著者等紹介

榎木英介[エノキエイスケ]
博士(医学)、病理診断医。1971年横浜生まれ。1995年東京大学理学部生物学科(動物学)卒。同大学院に進学したが、博士課程中退。神戸大学医学部に学士編入学した。2004年に医師免許取得。2006年に博士(医学)。進路に迷い方向転換をした経験などから、若手研究者、博士のキャリア問題に強い関心があり、様々な活動を続けている。2003年にNPO法人サイエンス・コミュニケーションを設立し、代表理事を務めた(2009年まで)。2010年にはサイエンス・サポート・アソシエーション(SSA)を新たに立ち上げ、科学・技術政策のあり方を考える活動を開始している。このほか、中高生向けの理科実験教室に参加するなど、科学コミュニケーションに関わる活動を幅広く行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

えちぜんや よーた

79
「高学歴ワープア問題」。読んでいてつくづく思うことは、国が労働の需要(その他たいてい財・サービス)を決められるわけではないということ。戦後、国策として博士を増やしてきたようですが、少なくとも労働市場に対しては、マッチしていなかったようです(P85)。後々のことを考えると「市場の失敗」よりもむしろ「政府の失敗」の方が恐ろしい。2013/08/15

Jun Sasaki

23
この本は民主党政権当時の2010年に書かれたものですが、ことの本質はオーバードクター問題の状況から変わっていない。昨今のプラットフォーマーの状況を挙げるまでもなく、グローバルに活躍する人材はひと握りで十分。ただ、母数を多くしないと才能の発見もままならない。よってキャリアチェンジを容易にできる仕組み構築が重要。でも残って欲しい有能な才能こそ、チェンジの波にのってしまう。ここまで抽象化すると、時代を越えても変わらないだろうことが見えてしまうのが、せつない。 2021/08/28

香菜子(かなこ・Kanako)

7
博士漂流時代「余った博士」はどうなるか?。榎木英介先生の著書。博士余剰問題、ポスドク問題は少子高齢化で人手が足りない日本社会にとって深刻な問題。日本には優秀で高学歴で専門性の高い博士たちに活躍してもらえるような社会制度が十分でないように思います。優秀な高学歴博士たちの活用は、高学歴博士たちにとっても、日本社会にとっても、プラスになるはず。2017/02/06

maimai

2
日本は博士課程の学生に対する風当たりが強いので、国や政府が博士を支援し科学技術の発展を支援することでよりよい社会が築けていけるのではないかと理系の学生ながら思いました。2015/03/24

Ryou Honna

2
先輩にいただいた本 博士号習得後にフリーターや消息不明になる人もいるらしい。 ちょっと考えが甘かったかもしれませんね。厳しい世界です その一方博士こそ理系以外の仕事に就くべきであるという考えには共感しました。 博士が教育の場へ出ていったり、博士がサポーターとして研究に携わったりするってのはとても必要だと思いました。  政治の場にももっと博士が関わっていくべきだろうと強く感じました。 博士に行くのはおそらく間違いないですが、その後の進路についてアカデミック以外も考えたいと思える一冊です。 2012/09/03

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