内容説明
1950年代以降、科学技術振興政策によって大量に生まれた「博士」には、なんと就職先がなかった…。かつては「オーバードクター」と呼ばれた彼らのために「ポスドク」という働き口が用意されたが、これも不安定で低収入、しかもその先に研究機関や企業での就職が保証されているわけではない。かくて「博士余剰」問題は未解決のままだ。こうした博士の就職難により大学院進学者も減少、これでは日本の科学技術研究の未来も危ぶまれる。しかしまだ遅くない。日本社会よ、博士をもっと活用しよう!博士の活用は科学技術の発展、そして不況にあえぐ日本の再生につながるはずだ。博士余剰問題を統計データと取材に基づいて考察し、具体的な解決策を提言する希望の書。
目次
はじめに
第1章 博士崩壊
第2章 博士はこうして余った
第3章 「博士が使えない」なんて誰が言った?
第4章 博士は使わないと損!
第5章 博士が変える未来
付録 博士の就職問題について識者に聞く
著者等紹介
榎木英介[エノキエイスケ]
博士(医学)、病理診断医。1971年横浜生まれ。1995年東京大学理学部生物学科(動物学)卒。同大学院に進学したが、博士課程中退。神戸大学医学部に学士編入学した。2004年に医師免許取得。2006年に博士(医学)。進路に迷い方向転換をした経験などから、若手研究者、博士のキャリア問題に強い関心があり、様々な活動を続けている。2003年にNPO法人サイエンス・コミュニケーションを設立し、代表理事を務めた(2009年まで)。2010年にはサイエンス・サポート・アソシエーション(SSA)を新たに立ち上げ、科学・技術政策のあり方を考える活動を開始している。このほか、中高生向けの理科実験教室に参加するなど、科学コミュニケーションに関わる活動を幅広く行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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