内容説明
戦争についての認識、ことに戦争に対する民衆の心情、意識に関するものを集約。収録した10篇にはいくつかの共通性がみられる。第一は、戦場と戦闘者=兵士の実態に関する新しい視点と思索、第二は、戦争を見つめる民衆意識に関しての検討と考察、第三は、さらにそれを秩序ないしはイデオロギーの側面からどう見るかの問題である。
目次
第1部 戦争と兵(中世戦場の略奪と傭兵―「応仁の乱」の戦場から;「一兵」の覚悟―宮柊二の戦場詠序説;神は細部に宿り給う)
第2部 戦争を見る眼(近代日本の戦争動員とそのイデオロギー;第二次世界大戦の終結と捕虜―連合国捕虜政策と日本の対応;従軍日記に見る兵士像と戦争の記憶;慰霊と軍神)
第3部 戦争と秩序(戦争の勝因と敗因;秀吉・家康の対外文書に見られる「御礼」の理論;幕末維新期の軍制と英仏駐屯軍)
シンポジウム「戦いと民衆」