公害被害放置の社会学―イタイイタイ病・カドミウム問題の歴史と現在

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公害被害放置の社会学―イタイイタイ病・カドミウム問題の歴史と現在

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  • サイズ A5判/ページ数 374p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784887138001
  • NDC分類 561.98
  • Cコード C3036

内容説明

一般にすでに解決済みとみなされている公害問題だが、実はその後も見捨てられていた被害者が後を絶たない。こうした「被害放置」を生み出す理由は何か―四大公害訴訟中最も成果を収めたとされるイ病・カドミウム問題が抱える生々しい歴史と現状を、社会学的分析に基づき精緻に再検証し、この種の「放置」は公害問題のみならず、わが国の行政・医療・社会の暗部に横たわる広範かつ本質的な現象であることを、強烈に示唆した労作。

目次

被害放置に着目する意味
イタイイタイ病の発見はなぜ遅れたのか
公害病を否定する政治―現在に続く「まきかえし」
否定された公害病―対馬・生野のイタイイタイ病とカドミウム腎症
予防と放置―カドミウム腎症をめぐる対応の地域差が意味するもの
イタイイタイ病医学研究班の社会学―イタイイタイ病カドミウム説「保留」のしくみ
富山で今、問われていること―認定問題と不服審査請求
農業被害はなぜ軽視されるのか―土壌汚染をめぐる被害放置の構造
食品中カドミウム濃度基準の現在
イタイイタイ病をめぐる差別と被害放置
イタイイタイ病をめぐる被害構造と放置
公害被害放置の社会学
付論 アジア・オーストラリア地域の鉱工業開発に伴う環境問題の社会的実態とイタイイタイ病闘争の意義

著者等紹介

飯島伸子[イイジマノブコ]
1938年、朝鮮生まれ、東京大学大学院社会学研究科博士課程中退。東京都立大学人文学部教授、富士常葉大学環境防災学部教授、等。2001年逝去

渡辺伸一[ワタナベシンイチ]
1962年、新潟県生まれ、東京都立大学大学院社会科学研究科博士課程単位取得退学。大分県立芸術文化短期大学専任講師を経て、奈良教育大学教育学部准教授

藤川賢[フジカワケン]
1966年、東京都生まれ、東京都立大学大学院社会科学研究科博士課程満期退学。現在、明治学院大学社会学部准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

なーちゃま

2
汚染地域と非汚染地域を比べるやり方を疫学的アプローチという。公害に対する政府の対応の特徴は、①とにかく認めない、②研究統治委員から公害肯定派を締め出す、③何が認められれば公害を認めるのか基準を示さない。イ病において重要なことは、行政による委託研究の目的は、「因果関係の100%の特定(科学では到底無理)」ではなく「被害者救済」でなくてはならないということ。2024/02/26

なーちゃま

1
しかし1970年代は成長に陰りが見えたため、1960年代に策定された公害対策法の緩和が求められた。世界に先駆けた日本の公害対策はバックラッシュにさらされる。「まきかえし」は新制度が作られる(=最初の世論の勢いが強い)時ではなく「具体的基準が作られる議論が行われる時(=当初より勢いが弱い)」に起きるのである。カドミウム汚染地域とそうでない地域では、前者の方が腎障害が多い。しかし腎障害とカドミウムの因果関係は現在も保留されたままである。2024/02/26

なーちゃま

1
被害放置=「被害無視」ではなく「横目で見ながら行動しないこと」。イ病は①老人差別(被害者の大部分が高齢女性、高齢であれば不調は当然という切り捨て)、②因果関係の曖昧化、③病になった責任を被害者自身が引き受けてしまう、などが発生した。イ病は神通川流域だけでなく、対馬・群馬安中等でも発生した疑いがある。「まきかえし」発生は対馬・生野の被害顕在化と同時に発生。経済成長時は①低賃金、②保護貿易、③公害無視が3本柱となって国際競争力を身に着けた。2024/02/26

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