内容説明
高等教育第一世代の女性の誇りと痛み。男性上位を前提とする伝統的性別役割と知の平等に立脚する高等教育との間の避け難い矛盾―米国史上初めて大学に学んだ女性たちは今日も引き続くこのアポリアに否応なしに直面し、その中でジェンダーに関する自覚的思考を深めた人たちであった。当時の一次史料を駆使した、わが国初のジェンダーの視点による大学史研究。
目次
第1章 本研究の構想と基本的視座(問題の所在;本研究の課題 ほか)
第2章 19世紀後半のマサチューセッツ州における女性運動と女性の高等教育(「協会」設立以前のマサチューセッツ州の女性運動;制度変革への挑戦とその敗北 ほか)
第3章 ボストン大学における男女共学制と大学教育におけるジェンダーの問題(19世紀後半の女性の大学教育とボストン大学創立の意義;ボストン大学における男女共学制 ほか)
第4章 女性の大学卒第一世代と新たな高等教育拡大運動(タルボット夫妻とマリアン;女性の大学卒第一世代としてのマリアン・タルボット ほか)
終章 結論と今後の研究課題
著者等紹介
坂本辰朗[サカモトタツロウ]
1952年生まれ。慶応義塾大学大学院博士課程修了。同大学で教育学の博士号取得。ハーバード大学訪問研究員、マサチューセッツ大学客員准教授、九州大学、名古屋大学、京都大学各講師を歴任。現在、創価大学教育学部教授。専攻は大学史・比較教育学
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