内容説明
魚は水を離れず、鳥は空を出ることはない。なのになぜ私たちは、精神は外界と身体から独立して存在しうると考えるのか―。プラトン以来の西欧哲学の錯誤を糾し、荘子、朱熹、明恵はじめ東洋がつちかった環境・心身相関の思索を基盤に、地球環境問題等、人類の危機の根源を衝く、いま、私たちのための哲学。
目次
第1部 「わたし」とはなにか(魚の楽しみを知ること;霧に沈むもの;待つということ)
第2部 わたしと世界と(鳥のいない風景;魚、水を離れず;時は命ずる)
第3部 「わたし」はどこに(雲は龍に従い、風は虎に従う;虎の尾を踏んでもよいか;雑草を抜いてはならない)