世界史の鏡<br> 歴史を変えた火山噴火―自然災害の環境史

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世界史の鏡
歴史を変えた火山噴火―自然災害の環境史

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  • サイズ B6判/ページ数 181p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784887085114
  • NDC分類 209
  • Cコード C1320

出版社内容情報

『週刊朝日』2012年3月30日 「週刊図書館―話題の新刊」より              評者:土屋 敦
人類は実は,火山の近くに住みつき,文明を築いてきた。火山が生まれるプレート境界付近には地下水が豊富で,畑に適した土地が広がる。また,さまざまな有用な金属や石油などの地下資源もあるのだ。本書は火山と人の関わりから歴史を見直した本だ。(中略)加えて本書は大地震と連動する富士山の可能性にも言及している。歴史を変えてしまうほど強力な火山噴火の恐ろしさとともに,歴史の新しい見方も教えてくれる一冊だ。          
『図書新聞』No.3066 2012.6.16より                          評者:皆川 勤
「地球」が生きていると実感することから自然災害を考えるべき
―火山噴火の歴史を、二○万年によぶ人類史と重ね合わせながら論述―
3.11東日本大震災は、いまだ大きな傷痕を残し続けながら、発生から一年が過ぎたことになる。自然災害の脅威をまざまざと見せつけられたわたしたちは、いまあらためて「巨大な自然の営み」について考えを巡らす時だと思う。といっても、災害をいかに未然に防ぐかといった視線からだけではなく、著者が述べるように「『地球』が生きている事を実感」することから、まず始めていくべきである。わが国は、地震列島とも火山列島とも称されるが、著者はそのことを「宿命」と捉えていく。・・・略・・・本書は、書名のとおり火山噴火の歴史(二一○万年前の火山噴火まで遡って叙述されている)を、二○万年におよぶ人類史と重ね合わせながら、論述していく。わたしが本書から真先に受けた衝撃は、「火山の冬」ということだ。・・以下略・・・

『都市問題』2012年7月号書評より         評者:下田雅己(後藤・安田記念東京都市研究所研究員)
避けられぬ火山噴火―人類の歴史、文明の歴史に与えた影響とは
(略)人間の活動にともなって生じる環境問題についての書籍や評論を多数著している。本書は、火山噴火というそれ自体は「自然災害」が、人類の歴史に与えて来た影響を取りあげている。(略)本書を通じて著者が紹介している第一のポイントは、火山噴火が全地球の気候の変動に大きなインパクトを与える点だ。中世のヨーロッパでは、何度か大きな凶作があり、ペストの流行なども重なって人口の大きな減少という事態が生じた。(略) 本書で著者が紹介する第二のポイントは、大規模な火山の噴火は、いずれ必ず起こるということだ。(略) 本書で筆者は、有史以前、そして有史以来の、世界各地での大きな火山噴火を概観し、紹介している。
読み進むに従い、評者としては、いつ起こるかわからない次の大噴火に際して、どのように手を打って備えるべきなのか、少々の焦燥感を感じたのも事実である。だが、著者も、「以前に比べ噴火予知は進んできたとはいえ、噴火時期や規模の特定はまだかなりむずかしい」としているとおり、自然の驚異が牙をむくとき、その前で人間はいかにも無力である。せめて採り得る対策は、当たり前のことではあるが、現在の技術力で行える観測の徹底と、それを確実に伝達することであろう。先にも触れたフィリピンのピナツボ山の1991年の噴火の場合、火山付近での残層地震や地殻変動の兆候があった時点で避難勧告が出されたため、人的被害は少なく済んだことを著者は紹介している。また、日本でも2000年の有珠山噴火に際して緊急火山情報(現在の噴火警報)が出され、最大約1万6,000名の住民が適切に避難できたことにも触れている。そして著者は、「噴火の可能性予知」の精度向上を期待して、本書を結んでいる。

目次

第1章 火山噴火と人類
第2章 「火山の冬」と気候変動
第3章 火山噴火が衣服を発明した
第4章 九州南部の縄文文化を崩壊させた鬼界カルデラ
第5章 文明を崩壊させたサントリーニ島火山
第6章 タイムカプセルのヴェスヴィオ火山
第7章 西暦五三五年に何が起きたのか
第8章 夏がこなかった年
第9章 史上最大級の噴火―自然の回復
第10章 二〇世紀の火山噴火
終章 悪夢の時限爆弾

著者等紹介

石弘之[イシヒロユキ]
1940年東京生まれ。東京大学卒業後、朝日新聞社に入社。ニューヨーク特派員、編集委員などを経て退社。85~87年国連環境計画(UNEPナイロビ)上級顧問。96年から東京大学大学院教授、ザンビア特命全権大使、北海道大学大学院教授。この間、国際協力事業団参与、東中欧環境センター理事(ブタペスト)などを兼務。英国ロイヤルソサエティ(RSA)会員。国連ボーマ賞、国連グローバル500賞、毎日出版文化賞をそれぞれ受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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やいっち

26
巨大な火山噴火が人類に衣服の発明という結果をもたらしたとか、オゾン層の破壊という事実を人類が知ったのは、やはり巨大な火山噴火の調査のゆえだったとか、九州南部の縄文文化を崩壊させたのは、鬼界カルデラ噴火が自然に与えた打撃の結果だとか、興味深い事実を知ることができた。  アトランティス伝説とも無縁ではないサントリーニ島火山や、ポンペイ最後の日とも関わるヴェスヴィオス火山の話なども面白い(なんて言っては不謹慎だろうが)。2017/10/15

小鈴

22
「第四章九州南部の縄文文化を崩壊させた鬼海カルデラ」(46-57)のみ読了。15万年前、9万5000年前、7300年前三回噴火。7300万年前の噴火で九州南部の南方系縄文人の集落が壊滅。陸路や海路で逃げのび、黒潮にのって四国南部や紀伊半島南部、伊豆諸島へ、対馬海流にのって九州西部沿岸から日本海側へ。南方系縄文文化の特徴である丸ノミ形石斧が高知、和歌山、八丈島の遺跡で、燻製の道具が三重、愛知、静岡、関東で見つかる。南方系縄文人の移動の証拠。2019/06/11

futabakouji2

9
火山がどれだけ歴史に影響を与えたかについて書かれた本。環境の変化が歴史に決定的な影響を与えたという考え方は行きすぎだけども、ひとつの要素として環境の視点も取り入れないと駄目だな。参考文献もいっぱい書いてあるので、導入本としても非常に良い。2019/05/15

遊未

7
ペストの本を読むと、天候不順、凶作のことが出てきますが、この本ではさらに進んで火山噴火⇒異常気象⇒凶作⇒餓死、疫病⇒社会不安という図式。関連年表が作成されればよくわかりそう。フランス革命~ナポレオンの時代が異常低温の時代となっていました。火山噴火は止めようがないけれど、せめて噴火に続く人災は止めたいものです。原発も含めて。2015/10/04

はるわか

7
地球の構造は半熟タマゴ。プレートテクトニクス。火山の冬:大気中にばらまかれたエアロゾルによる急激な寒冷化、飢饉や暴動。7万3千年前トバ噴火:人類生存の危機。535年ナゾの異常気象(世界的飢饉、文明崩壊、クラカタウ噴火)。1314年カハロア噴火(NZ):14世紀初めの「大飢饉」、ペストの流行、飢饉・餓死、ヨーロッパの人口半減、王族の平均年齢29歳。グリム童話。1600年ワオナプチナ噴火(チリ):ロシア異常寒波・餓死、大動乱時代。1815年タンボラ噴火:世界的寒冷化。1883年クラカタウ再噴火:寒冷化。2015/06/18

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