内容説明
戦争体験を語り、日本文化を論じ、祇園に遊び、職人の手仕事を愛した故安田武。高度経済成長に背を向け、ひたすら日本の芸と美の伝承を訴えた著者の美学が今よみがえる。
目次
愛の畢り(失われし時を求めて;妻との別れ)
死にはぐれて(青春の廃墟;転向研究会のなかで)
一期一会(坂口安吾への姿勢;梅崎春生と私;三島由紀夫のなかの戦争不在;祇園と高橋和巳;武田泰淳の『滅亡について』;安岡章太郎との逢い方;金子光晴の複雑な芯;清水幾太郎のこと;桑原武夫の人と思想;わだつみ像と末川博)
あとがきにかえて(私とは人びととの関係の総和である)