内容説明
この神社は出発点から間違っている!餓死、悶死、戦死した「神」たちの声を聞け。本書は、合祀された無念の兄たちへの鎮魂歌であり、アジアの中に生きる、これからの日本の道を問う書でもある。
目次
第1部 靖国神社―国家・陸海軍による虚構の大装置(戦争末期の靖国神社;招魂社―なぜ西郷隆盛や白虎隊を排除したのか;「靖国の神」の六割は餓死者であった;アジア侵略の歴史と「靖国の神」;戦陣君―守った将兵は大餓死・戦死、守らなかった将軍はA級戦犯)
第2部 靖国神社に合祀された三人の兄(中国・日中戦争と純三;アメリカ・サイパン戦と慶治;ソ連・北千島最北端の占守島戦と栄助;アジア太平洋戦争とは何だったのか;樋口家と近江商人のことなど)
第3部 アジアの中の日本―問われる歴史認識(戦争と二つの道徳;二つの「アジア主義」;西郷隆盛と王道のアジア主義―西郷は征韓論に非ず)
著者等紹介
樋口篤三[ヒグチトクゾウ]
1928年、静岡県沼津市で生まれ育つ。44年、海軍甲種飛行機予科練習生(土浦‐厚木)。戦後、横浜高商卒。47年民主革命に参加。48年3月産別・東芝堀川町労組書記局。以後、京浜労働運動、川崎生協、日本共産党専従などの中で、党から二回除名、資本などから五回首切り。1975~86年「季刊労働運動」代表、「労働情報」編集人・全国運営委員長。現在、協同社会研究会共同代表、東久留米市民自治研究センター理事長、キューバ円卓会議共同代表、日本労働ペンクラブ会員など。著書に『めしと魂と相互扶助』(第三書館、2002年、労働ペンクラブ賞受賞)など
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