内容説明
DNAは60年代に記号として読まれ、70年代に物質として操作され、今日ゲノムとして認識されるに至る。複製ではなく自己創出が、性と死の始まりが、時間の発生がゲノムから見える。ゲノムは、生きものという普遍性と、かけがえのない単独性とを個体の中に実現する。いまや「神」、「精神」に代って「生命」が時代のスーパーコンセプトとなる。
目次
序章 発端の知―ゲノムから何が見えるか
第1章 記号・物質・全体―DNAとは何であったか
第2章 生命という自己創出系―発生は時間と空間を実現する
第3章 生命という「歴史的存在」―唯一無二の「個」を生み出す
第4章 生命というスーパーコンセプト―来るべき知の神話素