内容説明
民族のイマジネーションが生み出した神話を気鋭の学者がスリリングに読み解く。
目次
第1章 日本神話への招待―原初の想像力と向き合う
第2章 天地のはじめ・国土のおこり―日本神話のフレームワーク
第3章 イザナキ・イザナミ二神の物語―男女の分化と死の起源
第4章 天照大神とスサノオノミコト―世界危機の克服と両神の和解
第5章 大国主神の成長物語―地上世界の秩序形成
第6章 国譲りから天孫降臨へ―天・地統合への画期
第7章 海さち・山さちの物語―非農耕世界の統合
第8章 天と地、山・海・国をつなぐもの―神話の決着点「神武建国」伝承
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
百式改(公論サポーター東海)
5
日本の神話は神々の成長記録だと言う氏の説 巷に溢れるトンデモ説とは違い論理の飛躍を想像で埋めると言う様な物で無くそれなりの説得力を持つ。果たして主流になりますか?ジャンプの少年漫画ににも通ずる成長物語が二千年前から日本に有るというのは日本人なら納得できるのでは?2017/01/14
sugi
3
去年読んだ本。お気に入りなのですぐ見れるよう未読のほんの山に紛れて積み上がっている。神話の本は他にも読んだが、まったく解釈が違っていて新鮮だった。物事の本質を知るには、様々な角度から物事を見て、先入観にとらわれず様々な解釈をしなくてはならない。などと痛感させてくれた本。ついでのようだが神話も面白いです。
Atsung
2
日本の神々は実は「完全」ではなく、むしろ「不完全」であり、様々な苦難を乗り越え成長していくという視点がすごく興味深く面白かった。神話を素直にそのまま読むと凄くシュールな場面がたくさんあるが、そこを理論的に意味を説明してあるのでより日本神話に対する理解が深まった。「古事記」と「日本書紀」の比較部分などもあり 日本神話を体系的、そして根本から理解する為にお勧めの一冊。2013/02/09
桃子
1
高森先生の日本の神話講座をきっかけに読み始めた本です。 古事記と日本書紀を対比しながら解説されていて、とてもわかりやすいです。 特に、神話を七つにパート分けして解説することによって、それぞれのパートが物語の中においてどのような役割を持っているのかを関連付けて解説されているコトが、今まで神話を部分的にしか理解していなかった方も神話の理解を深められるのではないかと思います。 タイトル通りはじめて神話を勉強しようという方にも。そして既に神話の勉強を始めている方にも新たな気付きを得ることが出来るオススメの本です。2012/03/21