内容説明
「まちの居場所」は、私的な場所でもなく、形式ばった場所でもなく、人が思い思いに居合わせられる場所。そして、新たに地縁を結びなおす場所。建築、都市計画、まちづくり、福祉…人間らしい空間づくりに臨むすべての人に、「場所」への視点を提案する。
目次
第1章 まちの居場所の紹介(まちの居場所の枠組みと実践例―居場所をつくるための道標;まちの居場所を読み解くキーワード1―ストック活用と居場所づくり;まちの居場所を読み解くキーワード2―場所の主(あるじ) ほか)
第2章 まちの居場所を見る視点インタビュー(地域住民の立場からまちの居場所を語る―「ひがしまち街角広場」運営代表赤井直氏;行政の立場からまちの居場所を語る―大阪府住宅まちづくり部瀬戸山和範氏、植茶恭子氏;専門家の立場からまちの居場所を語る―大阪大学大学院渥美公秀教授)
第3章 現代社会におけるまちの居場所(居場所が変える都市と建築;居場所にみた新たな公共性;こどもの居場所 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬弐仟縁
22
無縁社会、孤独死、空き家という3大社会問題を前に、人が集う場のあることのかけがえのなさを、全国並びに海外各地の実証分析(写真、図式多数)で解明している好著。第3章でまとめと検証をしている。第1章11の図書コーナー付き喫茶店は私が読書ショーをやる場になる可能性がある(76頁~)。楽器演奏する友達もいるが、私もそうした場も考えられる。居場所とは、さりげなくある場所。集う場。ぶらりと訪れる場のようだ(180頁左段)。自分らしく居るとは、そこで主体的に活動できること(186頁右段)。2015/01/24
Nobuko Hashimoto
7
全国の「まちの居場所」19か所と海外の事例数か所の紹介。写真や図も豊富で読みやすい。まちの居場所とは何か。オルデンバーグの「サードプレイス」とかなり重なる。明確な目的をもっていくというよりもなんとなく足を運ぶところ、行けばいろんな人と出会い、いろんな活動に触れられ、くつろげて、刺激も得られるところ、そこから新しい出会いや活動が生まれるところといった感じか。それらの居場所の共通点を整理してあり参考になる。おすすめ。2016/02/11
Yuko Miki
2
単身世帯がふえて無縁社会。だけどネット上ではsnsで交流。グローバル化でコミュニケーション能力が大事。なんかへんな現代社会においてのまちの居場所とは?家や会社、学校とはまた違うサードプレイスのありかた。事例とインタビューをふまえてこれからの居場所のありかたを探る。2012/07/09