内容説明
「近代美術の都」としてのモスクワの側面をとりあげ、重要な二つの美術館のコレクションについて述べる。
目次
1 近代美術の都モスクワ(モスクワのマチス;幻のモスクワ西洋近代美術館;ロシア史における美術コレクションの変遷;モロゾフとシチューキン)
2 リアリズムの系譜―トレチャコフ美術館(収集家の時代;二つのロシア美術専門美術館;モスクワ対サンクト・ペテルブルク;収集家の誕生)
3 トレチャコフ美術館の作品(聖なる肖像画の伝統;ロマンティックな風景と象徴主義、抽象絵画)
著者等紹介
岡部昌幸[オカベマサユキ]
早稲田大学大学院文学研究科芸術学専攻修士課程修了。帝京大学文学部史学科助教授。専攻は東西美術文化交流史、アジア・太平洋圏美術史、ジャポニスム、写真史
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感想・レビュー
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うえ
3
モスクワにおける芸術とパトロンの歴史「19世紀後半のモスクワは活気を呈していた。ピョートル大帝のサンクトペテルブルク遷都以来、古都モスクワは…影をひそめていたが、遅ればせにやってきたロシアの産業革命によって息を吹き返し、工業と流通の著しい発展がみられた。…モロゾフ家とシチューキン家は文化面でも大きな貢献をし…サーヴァ・モロゾフはモスクワ芸術座の援助者であり、チェーホフに『桜の園』や『三人姉妹』などの名作を書かせ…ゴーリキーに共鳴し、彼をかくまうこともあった。…モロゾフが持っていたセザンヌは18点とされる」2023/06/04
O. M.
0
ロシアの4大美術館と言われる、プーシキン、エルミタージュ、トレチャコフ、ロシア美術館の成り立ちと、ロシアの美術史の概要について。薄い本ですが、必要な情報が過不足なく良くまとまっています。入門書として最適です。2014/03/15