内容説明
野生的な感性あふれる韓国女性作家の意欲作。拷問技術者の父と娘の11年の物語。
著者等紹介
千雲寧[チョンウニョン]
1971年ソウル生まれ。漢陽大学新聞放送学科、ソウル藝術大学文芸創作学科卒業。2000年短編「針」(東亜日報新春文藝)でデビュー。申東曄創作賞(2003年)、今年の芸術賞を受賞(2004年)
橋本智保[ハシモトチホ]
1972年生まれ。東京外国語大学朝鮮語学科を経て、ソウル大学国語国文学科修士課程修了。日語日文学科専任講師。韓国文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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星落秋風五丈原
27
日本と共同でワールドカップサッカーを開催し、夏冬のオリンピック会場にも選ばれた韓国の成長ぶりは目覚ましいが暗殺未遂やクーデターなど、血なまぐさい歴史もあった。冒頭、まるでアスリートの心得のような独白が続くが、そんなきれいなものではない。彼が語っているのは理想的な拷問技術だ。本作は、反共軍事独裁政権時代に反政府活動弾圧機構の中枢にいた実在の男・李根安をモデルに書かれている。「俺でなくても、誰かがしなければならないことだった」「悪の自白を得るためには、悪の力を借りなければならない」などいつか聞いた台詞が並ぶ。2016/12/06
kano
2
野性味溢れるのに繊細。作者が紡ぎ出す言葉に支えられて躍動する人物。史実を元にしながらも、これほど物語性の高くなるのか。拷問者が主人公だけあって内容はヘビーだけど文章的には非常に読みやすく、韓国文学の良さを詰め込んだような作品。2018/02/21
Kanako Kondo
0
一昨年、絶賛体調不良で読むのを中断した本。 民主化闘争について文章を読む機会が少なかったので、何度も吐き気を催しながら読んだ作品。 ゆっくり、読みました。 「生姜」というタイトルがとても不思議。2018/01/12