内容説明
世の中、介護に関する本は山ほどあるが、そのほとんどは介護する側の視点で書かれたものだ。介護される立場の人が、実際に介護施設に入居し、衰えつつある心身をふりしぼって書きつづったものは余りないようだ。これから施設に入ろうと考えている老人、あるいはそのご家族にとっては、参考になることがあるかもしれない。施設側の人達も、入居者の声を聞くことなどまずないから、感じる所があるかもしれない。―介護される側94歳から見た老人介護。
著者等紹介
内山みち子[ウチヤマミチコ]
本名内山通世。1907年千葉県鴨川生れ。日本コトバの会名誉会長。シルバーカルチャークラブ代表。日曜作家クラブ会長。八王子市郊外の老人保健施設『Y』にてリハビリ療養中であったが、本書出版直前の2001年4月に他界
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感想・レビュー
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バニラ
3
介護される側の気持ちを素直に綴った日記。貴重だ。2021/08/05
銀木犀
0
これは斬新。こういう立場で書かれた本はなかなかなかったのでは。尿漏れパットを交換してもらう話とか、施設の他の認知症と思われる人の話とか、食事のことばかり考えてしまうとかwなかなか聞けることではない。体は弱っていても気力や知性が残っていたからこそ書けたのだと思う。このあいだ読んだボクシングカンガルーのマチルダの本を取り寄せていたという記述を読んで親近感をおぼえた。けっこう長い話だったけど、全部読めただろうか。著者の方はこの日記の1年くらいあとで亡くなってしまったそうだと知って、残念な気持ちになった。2011/03/24