内容説明
本書は1997年6月の第9回相関社会科学シンポジウム『環境と歴史』の成果をもととして、編集されたものである。各パネリストが、当日の議論を踏まえて、より問題を深める形で執筆し、また依頼・公募を含めて、多様な分野から、それぞれの視点より見た「環境と歴史」に関する論文を掲載した。
目次
いまなぜ環境史なのか
環境と歴史―環境史学を求めて
古代文明と環境―イラン高原・アラビア湾岸における非農耕文明
農耕と生態系―「稲作前後」の生態系
森のシンプリフィケーション―タイ国の場合
人間・環境系としての植生の復元と空間スケール―化石花粉はどこから飛んできたのか
縄文土器の起源と環境変動
二上山の姿―自然・歴史・文学を通して
日本史における開発と環境修復
近世都市江戸の環境問題―溜池の開発と維持管理を中心に
東京市区改正以前の屎尿処理対策―牛込区街頭便所掃除人中村亀太郎の動向を中心に
開発と保存―戦前期の史蹟名勝天然記念物制度の場合
獣害問題の環境史―共的関係の構築への課題
安藤昌益の知的遺産―その覚え書き