感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hannahhannah
14
福満しげゆきの初期の短編集。表題作の「娘味」はコミカルでサイコな話で良かった。後の話は内向的な人たちがダベる場面が多くてあまり面白くなかった。作者のやたら長いあとがきもウジウジしていた。ウェイトと向き合おう。トレーニングはセラピーとも言える。2017/11/24
Ex libris 毒餃子
5
収録作品『10年たって彼らは何故ここにいるのか・・・』は長年読むことが困難な福満作品だったがやっと手に入れることが出来た。約10年前に幻堂出版から出ていた本を所有していた友人から借りて読んだときは余りにも抑鬱的な内容で頭がおかしくなるかと思ったが、今読むと福満しげゆきの原形を再認識できる良いテキストに感じる。福満も結婚して二児の父だが、友人も僕も結婚した。自分でも10年スパンでの心境の変化を強く感じる。2015/12/01
kanon
4
あとがきで図星な場面を当てられてしまったけれど、少し気持ちは軽くなった。内容は言っていた通りキモかった。正にポエム。2020/09/30
コリエル
2
福満さんがTwitter始めたのを見て、昔の作品が見たくなりこれを。当時表題作の娘味を読んだ印象が強くて、この人はずっとこんな漫画を描いてくんだろうな…とか思っていたら、いまでは全然違う方向にやってきているという。人の人生は俯瞰で見ると面白いな。ましてや漫画家をや。2020/03/14
junf
1
表題娘味はじめ読みごたえある福満しげゆき初期作品集。理解し難い話は連なるが、「ポエム的な世界は悪の道に落ちず正しい道に踏みとどませる安全装置みたいなもの」という10年後の話がすべてを物語っていて、売れない時代、先が見えない時代、誰にも認められない時代に黙々と自問自答のように描き殴ることは単純に自慰のような安心感ではなくまさしく「理性を保つための行為」みたいなもので、その濃さが筆圧、線の太さに出ている。歪んでいて、おもしろい。2016/09/24