感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
青蓮
84
再読。何度も読んでも面白い。緻密な線で描き込まれた残酷美。「耳ナシ芳一」や「屋根裏の哲学者」は文学的なパロディで、丸尾末広の作品にまま見られる。「犬神博士」が打ち切りで未完なのは残念だけれど、これは同タイトルで刊行された作品に引き継がれてるのかな。昔読んだけど手元に無いから確認出来ない。本作品の白眉は「無抵抗都市」。戦後間もない東京が舞台で溢れる雑踏や混沌とした市井の雰囲気が伝わってくる。他の方も言っているけれど丸尾末広の作品はどれも映像的。「トミノの地獄」の完結も待たれる。2018/09/20
Vakira
10
丸尾氏の作品は漫画の域をはるかに超えている。官能的で妖艶で美醜で猟奇的。画集を見るようというか。絵本というか。江戸川乱歩の世界か?はたまた三島由紀夫か?エログロを超越した世界に引きずり込まれて悦に浸る。2014/08/30
タマキマタ
2
「無抵抗都市」、ああ…嫌な話だ…嫌な話だ…。ガロ掲載時と単行本掲載で書きかえられてるところがあったのが少し残念。個人的にはガロバージョンの方が好みかな。どちらも美しいですが。
龍國竣/リュウゴク
2
突如として、印象的な画面が度々差し込まれる、「無抵抗都市」は、物語自体楽しめるが、その描写方法にもサディズム的なものを感じる。台詞の入れ方、人体の描き方など、独特で怪しいものだが、美しさも感じる。グロテスクなものも、美に包含されればなお美味しい。2011/12/21
葉山
1
友人より借りて。独特な世界観に引き込まれる。犬神博士が打ち切りになってしまったがすごく残念。続きがすごく気になりましたのに~。2013/09/17