風のジャクリーヌ―ある真実の物語

風のジャクリーヌ―ある真実の物語

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  • サイズ B6判/ページ数 554p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784883641321
  • NDC分類 762.33
  • Cコード C0073

内容説明

不世出の天才チェリスト、英国の伝説的国民的英雄のジャクリーヌ・デュ・プレ。その巨大な才能と家族愛、社会的モラルとのはげしい相剋、解決できない愛と苦悩の葛藤、それらのすべてがいま本書に昇華された。

目次

始まり
世界へ
世界からの退却
破滅
発見
再発見

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

のっち♬

114
姉と弟の視点で語られる希代のチェロ奏者の知られざる顔。才能は5歳から瞬く間に開花し、何でも合わせる家族は屈折した相互依存を形成した。本書はジャックリーヌの才能と激情の奔流に押し流された家族の喜びと苦悩の物語である。別居時に姉の夫との関係まで捧げていたとか衝撃的内容も多い。受診の遅れには彼女たちの隔絶された価値観が窺えるし、バレンボイムには馴染めさそうだ。天才を成立させるのもまた才能。ジャックリーヌの絶望の由来は仕事や病気だけでは説明しきれない。傍若無人でナイーヴな彼女の本音は音楽でしか表せなかったのかも。2022/06/01

くまこ

9
デュ・プレの生涯を伝えるドキュメントとして、読む価値はあると思う。ただ、姉と弟が書いたものなので、デュ・プレの家族の日記といった意味合いが強い。もちろん彼らにとっては紛れもない「真実」なのだろうが、あまりに限定的で、多角的なアプローチがなく、ノンフィクションとしての読み応えはなかった。2013/09/29

コニコ@共楽

7
偉大なチェリストの中でも、異彩を放つジャクリーヌ・デュ・プレの生涯。一人の天才の周りで愛憎を噛みしめた痛切なる家族史だ。母も姉も弟も、そして夫も、圧倒的な個性、ジャッキーに対して支えたい気持ちと逃れたい気持ちが交錯していただろう。淡々と書かれているだけにその過酷さが沁みてくる。2012/03/31

ふじさん

6
この本は長年読みたくて探していた本で古本屋で偶然みつけた。私の大好きなチェリスト、若くして多発性硬化症の難病で亡くなった天才。その短い壮絶な生涯を兄弟が描いた自伝。一人の天才に人生を振り回された家族の物語。せっなさが残る作品だ。映画ももう一度見たい。 2020/01/11

shou

4
天才チェリストを姉妹に持った音楽一家の姉と弟の回想記。映画版を先に観ていたので流れは知っていたけれど、発病後の描写は小説の方が迫力。天才児を家族内に抱えるという犠牲を強いられた肉親の誇りと苦悩。2015/07/20

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