内容説明
石牟礼作品の底流に響く神話的世界。生類たちのアポカリプス。
目次
川祭り
午睡
尺取り虫
入魂
原初よりことば知らざりき
点滅
馬酔木の鈴
花がひらく
娼婦
乞食
涅槃
鬼道への径
未明
水鏡
蓮沼
薫香
春
出魂
彼岸花
灯篭
少年
茜空
死民たちの春
はにかみの国
魚とりのパントマイム
エントロピレーヌ神殿へ
満ち潮
浜の甲羅
月夜
緑亜紀の蝶
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
sk
7
自然・生命・神・歴史・太古・病、現代の日常生活から当たり前のように隠蔽されている領域を、現代の日常生活とまったく等位の次元に豊かに開いている。太古の歌の在り方をも追求しているようであり、人間の根底にあるものが決して失われてなどいないことが分かる。2014/04/05
フム
6
苦海浄土を読むのと平行して手元に置いて読んでいたが、読み終わった時にイメージはより深まった。どしゃ蟹やら尺取り虫に、蓮沼の蛭…作者の視線はそれらの地を這うものたちに、しかと向かっている。そして光凪、油凪の不知火海。尺取り虫は預言者であり哲学者であり、すべてを観察する存在だった。手元に置いてゆっくり何度も読み返したい。2018/05/26
邪馬台国
1
よむと感覚が浄められるような良い詩。けして綺麗ではなく、血生臭くて美しいような。2013/11/12
葛
0
2002年8月10日初版第1刷発行 著者:石牟礼道子 発行者:福元満治 発行所:石風社 印刷:九州電算株式会社 製本:篠原製本株式会社2018/08/12