全記録 炭鉱

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  • サイズ B6判/ページ数 363p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784883402090
  • NDC分類 567.096
  • Cコード C0036

内容説明

輝かしい地底労働から痛憤の事故、閉山・廃山にいたるまで―過労自殺とワーキングプアの社会をつくりだした日本資本主義の暗い原点がここにある。

目次

序章 閉山にいたるまで
第1章 物いわぬ帰還
第2章 あとは野となれ山となれ
第3章 去るも地獄残るも地獄
第4章 ヤマに生きた日々
第5章 どん底からの出発

著者等紹介

鎌田慧[カマタサトシ]
1938年、青森県弘前市生まれ。新聞記者、雑誌編集者などを経て、フリーのルポライターに(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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wei xian tiang

3
思えば私も炭鉱が気にかかりだして二十年近くなる。池島の閉山前駆け込みで渡島し,三池・北松・筑豊はもとより,美唄,夕張,アルバータ州まで足を延ばした。本書は流石鎌田慧というところで,よく歩き,よく話を聞いて書いており,読み進めるうちにいろいろ思い出して目頭が熱くなるが,表題は誰がつけたものか。時期的にも広範囲に亘る,決して網羅的ではない,単発的な雑誌掲載等のルポルタージュを出版のためにまとめたものを「全記録」と称するのはいただけない。2017/03/22

Uzundk

2
記録と言うには情緒的な表現が多い。 戦前の石油のトラウマの抜けない政府が、経済的にどうやっても成り立たないものを維持するために払ってきた犠牲の姿。事故、事故、またしても事故の記録。呼んで感じたのは炭鉱が悪と言うよりも先の不合理のために安全策を捨て、税金を投入し、そのリスクを労働者が被ったことがうかがえる。犠牲を払ってでも炭鉱を維持しようという覚悟が政府にあっただろうか。自殺した経営者はその相反に悩んだのだろうか。今でもこの対立は多くの業界で残っているように思える。2014/08/21

根室

2
夕張と三池の炭鉱を中心に書かれている。あと山本作兵衛の絵の話が数十ページある。合理化によって人を減らし続けた末に閉山が進められ、残った労働者達には最後まで完全に賃金が支払われなかった。払われるべき金は閉山後の新事業に流れ、残った労働者は途方に暮れるだけ。大事故を連続で引き起こしながら自らの責任を取ろうとしない企業と、それを追及しない第二組合の厳しい関係2011/08/12

スズキパル

1
最新の設備と国の支援を受けた「ビルド鉱」で発生した大事故が悲惨すぎた。炭鉱に依存した町の反映と衰退の対比が鮮やかすぎる。夕張で起きた保険金殺人や三池争議で暴力団員に組合員が殺されるエピソードも生々しい。昭和を知らない自分としては、炭鉱の危うい繁栄と転落のドラマはあまりにも衝撃的だった。2012/11/21

sasha

1
きつい労働と安全管理の軽視。続発する事故と大量の犠牲者。閉山に伴う失業と再就職の問題。炭鉱で栄えた町の衰退。日本の経済成長を文字通り地下で支えた労働者とその家族たちの悲劇の歴史は、忘れてはいけない。2011/11/09

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