内容説明
明治維新の原動力となった薩摩・島津藩の郷中教育。その精神的支柱であった「島津いろは歌」は、神・儒・仏三教の神髄を取り入れ、実践的躍動的に人倫の道を説いた。その精神は、現代にも連綿と生き続けている。
目次
い―いにしへの道を聞ても唱へてもわか行ひにせすは甲斐なし
ろ―楼の上もはにふの小屋も住人のこゝろにこそハたかき賤しき
は―はかなくも明日の命をたのむかなけふもと学ひをはせて
に―似たるこそ友としよけれ交らハわれにます人おとなしき人
ほ―仏神他にましまさす人よりもこゝろにはちよ天地よくしる
へ―下手そとて我とゆるすな稽古たにつもらハ塵もやまとことの葉
と―とかありて人を切とも軽くすないかすかたなもたゝひとつなり
ち―智恵能ハ身に付ぬれと荷にならすひとはおもんしはつる物なり
り―理も法もたゝぬ世そとて引安きこゝろの駒のゆくにまかすな
ぬ―盗人は与所より入とおもふかやみゝめのかと戸さしよくせよ〔ほか〕