太宰治ADHD(注意欠陥・多動性障害)説―医師の読み解く「100年の謎」

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  • サイズ B6判/ページ数 197p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784883205103
  • NDC分類 910.268
  • Cコード C0090

目次

第1章 愛と苦悩の生涯―医師の読み解く太宰治(機能不全家族と発達障害;太宰のトラウマ体験;太宰=ADHD説を検証する;アスペルガー症候群としての太宰;太宰は「境界性人格障害」だったか?)
第2章 太宰治が現代に問うもの(弱さの気品―おもてには快楽をよそい、心には悩みわずらう;太宰治における「愛」―「おのれの如くなんぢの隣を愛すべし」;「津軽」は太宰を救わなかった;「トカトントン」は幻聴か?;太宰に惹きつけられた女性たち;本物の誠実とは何か?;太宰文学とキリスト教;最後の闘い;太宰の死をどう解釈するか;聖なるものを求めた太宰文学)

著者等紹介

富永國比古[トミナガクニヒコ]
1949年、福島県生まれ。岩手医科大学医学部卒業、米国ロマリンダ大学大学院博士課程修了。産婦人科専門医。医学博士・公衆衛生学博士(米)。ロマリンダクリニック(婦人科、心療内科)院長。2010年4月から星野仁彦医師とともに「成人女性を対象とした発達障害外来」を開設。全国から予約が集まる。医師として活躍する一方、太宰治の直弟子・故菊田義孝氏より文学の手ほどきを受け、太宰研究を続けてきた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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ででちゃん

7
太宰治の痛み、そして混乱を解析してみせて、しかし、優しい視線を忘れない著者の姿勢に共感。  人の心も体と同じように傷つき、病むという事実に対面させられた気がする。  安っぽい現実ばかりに目を奪われていたなあ・・と反省。 やはり、太宰は愛おしい作家である。  2012/02/15

ひろゆき

4
ADHDなど病気の症状が太宰にあてはまることについては、面白いけど、ああそうなのですかという感じだけ。というのは、専門家には興味深いかもだが、特に私にとって見方読み方で新発見をもたらしはしないから。むしろ症状のいくつかが私に当てはまり、その点、動揺す。後半部分の、聖書、内村鑑三らの著作が太宰に思考の材料を与えていたことの指摘のほうが教えられた。2013/11/03

かっぱ

4
小説や普段の行動から読み取れば、著者の言うとおり、太宰はADHDやASであったのだろう。繊細な神経の持ち主でありながら、時に人を食ったような大胆な態度に出る。このアンバランスさが、なかなか周囲に理解されず、誤解を生みやすくなり、本人の生き難さの原因になっている。豊かな精神世界を持ちながら、他者や自分自身の感情を読み取ることが不得手であることによって、周囲から排除され勝ちなADHDやASへの理解が少しでも進めば良いと思う。2011/07/11

嶽浦かな野

3
最初はどうもこじつけ感が否めなかったのですが、だんだん納得。機能不全家族にAC。うわあ、大変だったのねぇ太宰さん。言葉も優しく書いてあっておすすめ。2015/12/11

じゃがたろう

2
とてもチャレンジングな作品のように感じた。境界性人格障害説を棄却してADHD・AS説を唱えている。前者を批判しているが、罵るわけではなく、議論をしていこうと努めている様子が伝わってきた。性的虐待を受けていたことなど太宰治の人生が描かれていて今まで知らなかったことが知れた。太宰治に対する評価が両極端なのもよくわかった。病跡学という視点から、医師の視点から書かれているので所々、難解な文章もあった。だが、著者の太宰治好きがとても伝わってきた。2020/06/04

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