内容説明
ストリートチルドレンという言葉が、ようやく「聞き覚えのある言葉」になりはじめている。だが、まだストリートチルドレンとはどんな子どもたちなのかよくわからない、みな路上に放りだされた孤児や捨て子だろう、と思っている人が多いことも事実だ。果たして、「路上の子どもたち(ストリートチルドレン)」はみな、親がいないのだろうか?親に捨てられ、家をでてきたのだろうか?ずっと路上で寝起きしているのだろうか?―それぞれの国や地域、子どもの状況を知ることを通して、私たちは、路上の子どもたちが、国によっても、子ども一人ひとりによっても、少しずつ異なる現実を生きていることを、理解しなければならない。そうしてはじめて、路上の子どもたちの素顔がみえてくる。
目次
1 マニラ首都圏のストリートチルドレン
2 家族に支えられてこそ―路上暮らしの子ども6人の姿を通して
3 心の支えを取り戻すため、失わないために―NGOの試み
4 よりよい未来への橋渡し役―ストリートエデュケイター
5 フィリピン政府の対応策
6 隣人の役割―日本人が目指すこと