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出版社内容情報
心臓病で急死した夫マリオの亡骸を前に、時空を越えて途切れることなく連綿と語る妻の心理を緻密に描き出し、人間の孤独に鋭く迫るスペインの人気作家の作品。
内容説明
心臓発作で急死したマリオの通夜。未亡人となったカルメンが、日頃の不平・不満を物言わぬ亡骸に向かってぶちまける。連綿と繰り返される文章がやがて耳になじんでひとつのリズムをもち、最初は意味のわからなかった言葉や事柄が徐々に具体性を持ち始め、やがてはっきりとした全体像が立ち現れてくる。深刻な会話を交わすこともなく、精神的についぞ寄り添うことのなかった夫婦の生活が露わに語られ、夫の無理解、浮気、利己主義を責めていたカルメンの独白が、最後には自らの不実を告白して許しを乞う悲痛な叫びとなる。
著者等紹介
デリーベス,ミゲル[デリーベス,ミゲル][Delibes,Miguel]
1920年、スペインのバリャドリッド生まれ。1947年に『糸杉の影は長い』でナダル賞を受賞。それ以後、幅広い文学活動により数々の文学賞を受けている。1973年には王室アカデミーの会員となる
岩根圀和[イワネクニカズ]
1945年、兵庫県生まれ。神戸市外国語大学修士課程修了。神奈川大学外国語学部教授
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