プルトニウムファイル〈下〉

プルトニウムファイル〈下〉

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  • サイズ B6判/ページ数 281,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784881359044
  • NDC分類 539.45
  • Cコード C0098

出版社内容情報

1945年マンハッタン計画(核兵器開発計画)の医師たちはプルトニウムの人体への影響を調査するため、人体へのプルトニウム注射を開始する。この恐るべき人体実験の被験者には4歳の少年も含まれ、かれらは「治療のため」と医師達にだまされてプルトニウムを注射され、自分の体のなかに「プルトニウム」が存在する事を知らずに死んでいった。医師たちの人体実験は、ヒロシマ・ナガサキ・終戦・ビキニ環礁ののちもとどまるところを知らず、被験者も少年院の少年たちや数多くの妊婦たちへと移っていく…… 狂気の人体実験の実態を暴き、現代の核・原子力医療問題を問う衝撃のノンフィクション。下巻。

【目次】

【目次】

第三部  核実験のモルモット

第二四章 スターリンの果たし状
第二五章 兵士のモルモット第一号
第二六章 放射能の粒
第二七章 焦土の演習
第二八章 モルモットになりたい……
第二九章 キノコ雲の決死隊
第三〇章 志願将校
第三一章 逆さキノコ雲
第三二章 死体泥棒は愛国者

第四部 合衆国版・ナチ収容所

第三三章 「マウスかヒトか?」
第三四章 ヒューストンの「クリップ」軍医
第三五章 核の戦場・シンシナチ
第三六章 オークリッジの照射室
第三七章 囚われのボランティア
第三八章 よみがえるプルトニウム注射
第三九章 「小説よりも悲しい……」

第五部 清算

第四〇章 「事実を言おう」
第四一章 暴露と痛み
第四二章 人体実験調査委員会――一九九四年
第四三章 涙の証言
第四四章 本を開いてすぐ閉じる
第四五章 大統領の謝罪
第四六章 「もう二度とは……」――一九九六年末
第四七章 ごまかしと現ナマ

索引

内容説明

ソ連の核実験勃発!陸海空軍、NASAをも巻きこみ、「人体実験」が加速したアメリカの狂気。実験台にされた人々の体内に残ったプルトニウムは?実験に手を下した医師たちの医療倫理は?国家ぐるみの人体実験の顛末。

目次

第3部 核実験のモルモット(スターリンの果たし状;兵士のモルモット第一号;放射能の粒 ほか)
第4部 合衆国版・ナチ収容所(「マウスかヒトか?」;ヒューストンの「クリップ」軍医;核の戦場・シンシナチ ほか)
第5部 清算(「事実を言おう」;暴露と痛み;人体実験調査委員会―1994年 ほか)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

coolflat

4
患者700名以上に放射線を全身照射した実験や、囚人131名の睾丸に放射線照射した実験、数千名の兵士と風下住民を使った被爆実験(太平洋とネバダの核実験場など)について書かれている。一番最後の実験は、いわゆるアトミックソルジャーだが、これは、核爆発が兵士に及ぼす心理作用を調べたり、保護衣や保護施設の効果を調べたり、実験にあたった人体の体液の放射性同位体を測ったり、キノコ雲に飛行機を突っ込ませて放射能試料を採取したり、閃光が目に与える作用を調べるなど、1951年から約10年間、国家が主体となって行ったとのこと。2014/04/08

GASHOW

3
原爆を落とした後も人体実験は、続けられていた。玉袋に放射能をあてさせる実験なんて、質の悪い冗談のようだ。アメリカの怖さを感じたが、この内容の情報公開を行う事ができるというのもすごい。2014/09/08

takao

1
報告書に基づき、放射能実験についてクリントン大統領が謝罪声明。2017/08/02

どさんこ

0
広島・長崎の被爆者だけでなく、原爆を投下した米国の被爆者、モルモットとされていることすら知らされずに放射性物質にさらされた人々のことを考えると、人間とは、どこまで残酷になれるものかと思ってしまう。プルトニウムの毒性については、猛毒であるとする説と、少量であれば問題ないとする説とがあるようだが、どちらが真実なのだろう。この本を読んでから、線量計を入手して、近くのスーパーや医者から処方してもらった薬の放射線を測定してみたい衝動に駆られた。何を信じたらいいのか分からない。2016/05/18

〇〇

0
実験や関連する事例についても分かりやすい本でした。ただ用語が少し気になりました。「放射能を浴びる」という文が多用されていますが、これは「放射線/物質を浴びる」なのでは、といった些細なことですが引っ掛かりを感じました。私の勉強不足化もしれません。しかし、こうした些細な疑問が「理解」においては重要なのだとも感じました。無知であることは不安でなりません。隠蔽され、無知であることを強要されるのもまた恐怖です。本書は単純に恐怖を煽る放射能の批判書ではなく、私たちの権利について実に考えさせてくれるものでありました。2016/03/23

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