内容説明
人間とは何か、人間はいかに進化してきたのだろうか。本書は、進化生物学に基づいてその答えを探っていく。男と女は互いに肉体的に異なっているように、精神的にも異なっているのだろうか。そうだとすればそれはなぜか。人間の美しさの基準は、恣意的なものなのか、それとも原則が存在するのだろうか。我々は、遺伝子をめぐる絶え間なき闘争で敵を欺き、相手を誘惑するために、大きな頭脳を持つようになったのだろうか。本書は、人間と性、さらに人間の知性に対し新たな見方を提起する。
目次
第1章 人間の本性
第2章 大いなる謎
第3章 寄生者のパワー
第4章 遺伝子の反乱と性
第5章 クジャク物語
第6章 一夫多妻制と男の本性
第7章 一夫一妻制と女の本性
第8章 心の性鑑別
第9章 美の効用
第10章 知的チェスゲーム
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
藤月はな(灯れ松明の火)
38
子孫を永く、持続させ続けるために異なる遺伝子情報を性行によって組み合わせる「赤の女王」。ボノボの雌の発情を促すための子殺しについては自然人類学の授業で知っていたので良い復習になりました。「孔雀の派手な模様=危機管理もできている証拠」という説については興味深かったです。人間でも容貌やスタイルが時代に誂えたようなことは確かにありますよね。但し、生物学メインなため、ジェンダー論の観点から論は納得いかない部分もあります。そして種の存続のための性行以外はなぜ、起こるのかはまだ、分からないのでしょうか。2014/11/21
taken
2
1993年。人間の配偶システムはコロニーをつくる鳥のシステムと類似している、という主張2009/08/05
サンサンサンド
1
難しいけど面白かったー!2020/12/25
shin
1
寄生生物と人類さらには人類同士も前に進まない進化の道を延々と走っているという理論はおもしろい。バスト・ウエスト・ヒップ比の性淘汰の話は初めて聞いた。2014/07/13
Akio_Satake
1
リドレー氏の初期の本だと思うけれど、その後に書かれた著書の原型のよう。「政治的でない発言」も、この手の本には好ましいかも。2013/04/15