出版社内容情報
こどもになにかあると、母親に向けられる視線の冷たいこと……私たちを追いつめるのは誰だ!?
特集
2-こどもVSおとなワイワイガヤガヤ
病気もクセもわがままも みんなママのせい?
----槍玉にあげられるママ----
絵/山福アケミ 文/山田 真
4-みんなママのせいと感じたとき
文/ママの声 絵と文/MON・みずの圭・百田まどか・万徳寺さゆり
16-どうして子育ては母親の責任なの?
談/江原由美子
20-母性愛って本能じゃないの?
文/山田昌弘
26-構造分析 ママのせいと思わせるテクニック
医者編 文/毛利子来
保育編 文/三藤 聡
小学校編 文/名取弘文
32-母原病のおかした罪
文/石川憲彦
38-母の権利を考えてみる
文/小沢牧子
41-ママの怒りが身にしみる
文/山田 真
連載
46-子育てライブ相談室
へん食
文/毛利子来
48-カウンセラーという仕事
学校のトイレが使えない
文/内田良子
52-保健室解体新書
性教育
文/北村美佳
54-初めての××○○
ズル休み
文/安住磨奈
56-他人の痛いの百年平気
祝? 伝染病予防法99年
文/母里啓子
槍玉にあげられるママ
「こどもにかぜをひかせてしまいました」
診察の手順として「今日はどうしましたか」と聞いただけなのに、こんなふうにいうお母さんが少なくありません。その言葉のうらには「自分の不注意でこどもにかぜをひかせてしまった」という“自分を責める気持ち”が感じられます。
こどもは普通に生活していればかぜをひくのはあたりまえのことで、別に親が注意深いかどうかはかぜをひくことと関係がありません。
もし不注意がかぜのもとだとしたら、世の中の親がみんな注意深くなった暁には小児科医は食べてゆけなくなりますが、決してそんなふうにはならないのです。けれどもお母さんたちは自分を責めます。
最近は、お父さんがこどもを診察に連れてくることもめずらしくなくなりましたが、お父さんが「わたしの不注意でかぜをひかせた」というのを聞いたことはありません。お父さんたちは自分を責めないのです。
かつて「母原病」という腹立たしい言葉を母親たちに投げつけた小児科医がいました。
この小児科医はこどもの気管支喘息が重症化するのは母親が不安になることに原因があるといったのですが、こういうふうになんでも母親に責任を負