子育てとこどものこころ<br> 『娘天音 妻ヒロミ』―重い障害をもつこどもと父の在り方

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子育てとこどものこころ
『娘天音 妻ヒロミ』―重い障害をもつこどもと父の在り方

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  • サイズ B6判/ページ数 238p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784880491714
  • NDC分類 916
  • Cコード C0077

出版社内容情報

「山口一家の一員であるかのように応援しながら、そして怒ったり笑ったりしながら読み終えました。今まで私は障害イコール不幸だと強く思いこんでいました。障害をもつこどもは生まれない方が幸せだとも思っていましたが、そんな考えがこの本を通して少し変わってきそうです」
(岐阜県/熊崎淳子さんの読者カードより)

ヒロミさんと平明さんのこと 松下竜一


早くやってきた陣痛
超イノチ誕生のゆくたて
保育器のなかの命がけ
普通でも自然でもない育児


治したい一心の早期訓練
こちらから望んで母子入院
入院しても泣き発作つづく
発作はそのままに退院


悩み惑い迷う
弱い者が肩よせて
起きたことは起きたこと
無心になれるひととき


今もつづく介護の記録
入退院くりかえす母
ひとりで二通りの人生
身体障害者手帳をもらう
忘れてしまう日々への哀惜
動かないからよく見える


共に住み共に暮らす
生きがたさと生きがいと
娘に育てられた父親
イノチの傍らに自らの余命


哺乳瓶じゃない食事に挑む
水分摂取と八キロが基本
出好きな母と箱入り娘
初旅は芦生の森林浴
地元の小学校へ入学はたす
通信は天音からの手紙

あとがき

 本書は私が発行する月刊ミニコミ誌「草の根通信」に平明さんが連載したものだが、その続編ともいうべき連載は現在も続いていて、倒れた平明さんのピンチヒッターとして初めてヒロミさんが一回分を書いて下さった。
<平明が倒れた時からわが家の日常が消えたのだから、今は晴れの日です。お祭りの日なのです。お祭りにもいろいろあります。辛い祭りも、悲しみの祭りも、そしてわが家は大変さの祭りです。一所懸命お祭りをやろう>
 ヒロミさんのこの文に私はウーンとうなってしまい、すぐに平明さんに手紙を書いた。
<今回のヒロミさんの文章を読んで、ああ、これでは平明さん、かなわないなあと思いました。がっかりしないで下さいね。もう、女の強さというしかないです。平明さんも脱帽してるでしょ。私も脱帽です>
 すぐに電話をしてきたのはヒロミさんで「ほめられて嬉しい」と声を弾ませている。胸に抱いている天音ちゃんの喘鳴が、受話器を通してはっきり聞こえていた。
「平明さんよりいいといわれて、彼はくさってるでしょ」と問うと、「いいえ、あの人は私がほめられると自分のことのように嬉しいんです」という。平明さんは、そんな夫であり男なのだ。
 だからこ

目次

早くやってきた陣痛
超イノチ誕生のゆくたて
保育器のなかの命がけ
普通でも自然でもない育児
治したい一心の早期訓練
こちらから望んで母子入院
入院しても泣き発作つづく
発作はそのままに退院
悩み惑い迷う
弱い者が肩よせて〔ほか〕

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

okatake

1
天音本第二弾。 こちらは、夫の立場から重い障害を持った子を育てることについて書かれています。 誕生から小学校入学までのある意味一番大変だった時期。妻を見つめ、子を見つめ、自分の在り方を考える。 男性らしく客観的に、娘の誕生時の秘話や正確な診断名の開示。母親ほど娘と近い関係には近づけないという状況、そしてフリーで安定しない仕事にしばられる葛藤が書かれています。2019/08/14

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