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出版社内容情報
「山口一家の一員であるかのように応援しながら、そして怒ったり笑ったりしながら読み終えました。今まで私は障害イコール不幸だと強く思いこんでいました。障害をもつこどもは生まれない方が幸せだとも思っていましたが、そんな考えがこの本を通して少し変わってきそうです」
(岐阜県/熊崎淳子さんの読者カードより)
ヒロミさんと平明さんのこと 松下竜一
1
早くやってきた陣痛
超イノチ誕生のゆくたて
保育器のなかの命がけ
普通でも自然でもない育児
2
治したい一心の早期訓練
こちらから望んで母子入院
入院しても泣き発作つづく
発作はそのままに退院
3
悩み惑い迷う
弱い者が肩よせて
起きたことは起きたこと
無心になれるひととき
4
今もつづく介護の記録
入退院くりかえす母
ひとりで二通りの人生
身体障害者手帳をもらう
忘れてしまう日々への哀惜
動かないからよく見える
5
共に住み共に暮らす
生きがたさと生きがいと
娘に育てられた父親
イノチの傍らに自らの余命
6
哺乳瓶じゃない食事に挑む
水分摂取と八キロが基本
出好きな母と箱入り娘
初旅は芦生の森林浴
地元の小学校へ入学はたす
通信は天音からの手紙
あとがき
本書は私が発行する月刊ミニコミ誌「草の根通信」に平明さんが連載したものだが、その続編ともいうべき連載は現在も続いていて、倒れた平明さんのピンチヒッターとして初めてヒロミさんが一回分を書いて下さった。
<平明が倒れた時からわが家の日常が消えたのだから、今は晴れの日です。お祭りの日なのです。お祭りにもいろいろあります。辛い祭りも、悲しみの祭りも、そしてわが家は大変さの祭りです。一所懸命お祭りをやろう>
ヒロミさんのこの文に私はウーンとうなってしまい、すぐに平明さんに手紙を書いた。
<今回のヒロミさんの文章を読んで、ああ、これでは平明さん、かなわないなあと思いました。がっかりしないで下さいね。もう、女の強さというしかないです。平明さんも脱帽してるでしょ。私も脱帽です>
すぐに電話をしてきたのはヒロミさんで「ほめられて嬉しい」と声を弾ませている。胸に抱いている天音ちゃんの喘鳴が、受話器を通してはっきり聞こえていた。
「平明さんよりいいといわれて、彼はくさってるでしょ」と問うと、「いいえ、あの人は私がほめられると自分のことのように嬉しいんです」という。平明さんは、そんな夫であり男なのだ。
だからこ
目次
早くやってきた陣痛
超イノチ誕生のゆくたて
保育器のなかの命がけ
普通でも自然でもない育児
治したい一心の早期訓練
こちらから望んで母子入院
入院しても泣き発作つづく
発作はそのままに退院
悩み惑い迷う
弱い者が肩よせて〔ほか〕