目次
第1章 いま、多喜二を考える(生誕100年記念小林多喜二国際シンポジウムで考えたこと;若き多喜二の彷徨と発見)
第2章 プロレタリア文学とその理論をめぐって(小林多喜二と蔵原惟人―作家と評論家の問題;プロレタリア文学―存在と意味)
第3章 小林多喜二と志賀直哉(志賀直哉と多喜二;戦後の直哉の心に生き続ける多喜二の像―「灰色の月」前後)
著者等紹介
伊豆利彦[イズトシヒコ]
大正15年11月10日、福岡県直方市生まれ。東大卒。日本文学協会会員、日本近代文学会会員、日本社会文学会会員、日本民主主義文学会会員、横浜市立大学名誉教授
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感想・レビュー
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Takao
2
2005年7月15日発行(初版)。著者は1926年生まれ、 2017年12月8日、91歳で死去。1994年の横浜市長選の街頭演説で、終戦直後の横浜駅西口の風景を語った言葉は忘れられない。著者の以前の論文などを収めたもので、著者自身も述べているように重複している箇所もあるが、著者のプロレタリア文学への熱い想いが伝わってくる。印象深かったのは後半部で述べられている志賀直哉との交流。「…一度きり会わぬが自分は小林より良き印象を受け好きなり、アンタンたる気持ちになる、不図彼等の意図ものになるべしという気する」2021/04/04