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内容説明
『消えるヒッチハイカー』は、現代のアメリカ社会で、広く語られ、流布されているさまざまな話について書かれたものだ。多くの人はこれらの話を「実際にあったこと」として聞いている。だが、専門の研究者以外は、まずこれらをわたしたちの同時代のフォークロアの代表的なものであるとみなすことはない。民俗学者―つまりこうしたフォークロアの収集や分析についての専門家は、消えるヒッチハイカーの話や、ねずみのフライの話、おばあさんの遺体がなくなる話など、これら誰もがいかにもありそうだと思える話を「都市で信じられる話」、あるいはより簡潔に「都市伝説」と呼んでいる。
目次
1 古い伝説から新しい伝説へ
2 自動車にまつわる古典的伝説
3 「鉤手の男」、その他の「こわい話」
4 汚染、あるいは異物
5 盗まれし死体、死んだものへの畏れ
6 おたのしみ、裸、悪夢
7 いんちき商売
8 生まれ続ける都市伝説
補遺・都市伝説の収集と研究
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
山口透析鉄
15
これは学生時代、図書室の本で読んでいます。日本だとタクシーから人がいつの間にか消える怪談になりますが、米国だとお国柄もあってか、ヒッチハイカーの話になったりするようで、こういう都市伝説とかはもう馬車の時代からあったと聞いています。 民俗学の本としても非常に興味深く、何度かその後も再読はしましたね。 ただ、翻訳された方は本業をおろそかにでもしていたのか、TV露出はされていても、率直にいって本業の研究成果はあまりない方でしたね……。1988/12/18
blue_elephant
7
なんとなく、知ってはいたが、ようやっと読むことができた。日本の都市伝説、フォークロア、口承文学は日本人のDNA、万物に神宿るに帰するからか、妖怪変化ものが多いが、アメリカは開拓民でアメリカ 人としての歴史が浅いのかどうか知らんけど。(笑)人がしでかす都市伝説が主であり、まあ、それがなんだかリアリティがあり、さもありなんです。エルム街の悪夢も昔から語り継がれるお話がベースなのだなあと今更ながらですが。この作品はシリーズ化されていて、なんとなく面白そうなので続いて読んでいくつもりです。2020/10/24
富士さん
6
名前は気になっていても、内容は聞きかじっただけでしか知らなかったのですが、やっと機会を得たので読むことができました。なるほど、これが民俗学というものなのですね。事件や怪談、社会問題など、いろいろな性質のものが溶け込んだ雑多な語りをざっくり分類して並べる、体系性や理論性のない内容は『遠野物語』を読んだ時と同じ感覚でした。個人的には、最近はまっていた北野誠さん一派の怪談に感じるあくなき収集欲と同じものを根底に感じて、本書でも言われるように、ひとりひとりの語りが正典性を帯びるというスタンスに可能性を感じます。2019/06/20
金平糖
3
B+。2022/06/06
新橋九段
3
多種多様なアメリカの都市伝説を収めていて興味深い。その一方都市伝説のメカニズム面の解説は薄い印象だが、訳者解説によればそもそもそういうものらしく。2019/05/22