出版社内容情報
あらゆる装飾をそぎ、極度に凝縮されたポルノグラフィ。じかに見る、見ることができないものをも見つくそうとする「知る」ことについての欲望とその不能性を描く
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
koz
5
表題作は静かながらも熱い官能を伝える。ひたすらに匿名のおとことおんな、そしてそれを俯瞰しまた嗅ぐわたし。「おんなの眼はなにもみぬままに半ば開き、ふたたび閉じる。みどり、の。」 同じおとこ、の題でも大西洋のおとこ は同名の映画のサブテクストであり、写っているのは38も齢下の男ヤン・アンドレアとのこと。この文の主人公は「不在」。不在のもとを抜ける風、窓の外の鷗そして残る高揚感。「忘れて、もっと。さらに、もっと忘れて。」流れる文は不思議なイメージを残す2013/08/24
PukaPuka
3
デュラス節!こういうのもよい。延々と読みたい詩のような文章。2021/01/16
❁
2
「今度、あなたは自分しかみていないところで死んでゆく。」(「大西洋のおとこ」)2020/01/05
ドミニク
2
★★★★☆2013/06/18
黒猫
2
とてもフィジカルに訴えかけてくる作品で圧倒されました。描写が女性的(この表現が正しいかはわからないけれど)なので男はこれを読んで新鮮な気持ちになるかもしれません。文章から作者の吐息が漏れてきている気がしました。2013/01/30