内容説明
今、ドヤの一室で、公園で、河原で、病院のベッドで、傷つき、病み、老いた日雇労働者が、野宿者が、ひとり、ひとり、「殺されて」いる。仕事にアブレ、ドヤから叩き出され、路上から追い立てられ、すべての居場所を奪われ…。新宿・釜ヶ崎・山谷、寿町、笹島、神戸…寄せ場と野宿者世界の知の解体へ誘う。
目次
1 寄せ場―差別と意味の社会学
2 寄せ場を基点とする社会学の射程―「中央」と「周辺」および「勤勉」と「怠け」をキーワードにして
3 排除と抵抗の現代社会論―寄せ場と「ホームレス」の社会学にむけて
4 「寄せ場のエスノグラフィー」を書く
5 保護/撤去/襲撃―震災後・神戸の野宿者問題
6 見えない街の可能性―新宿で野宿する一人の「おじさん」の語りから
7 アンダークラスとしての寄せ場―釜ケ崎を中心として
8 寄せ場と行政―笹島を主な事例として
9 寄せ場は何処へ