イタリア叢書<br> 砂のコレクション

イタリア叢書
砂のコレクション

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 204p/高さ 20X14cm
  • 商品コード 9784879840899
  • NDC分類 974

出版社内容情報

カルヴィーノ最後の小説。《言葉の魔街師》が、すべての実験の後、この作品にたどりつき、そして死を迎えた。

内容説明

日本旅行の印象記に始まり、様々な展覧会・展示会を見ての印象、または書評など、ひとつひとつの文章が知的興味を誘う。カルヴィーノ最後の作品。

目次

1. 時の形―日本(紫の着物の老婦人;栄華の裏に;月を追いかける月;孤独なパチンコ;99本目の木)
2. 展覧・探検(砂のコレクション;地図の旅人;蝋人形博物館;三面記事の驚異;絵を描く作家たち)
3. 視線の範囲(砦の中の蜻蛉;トライアヌス記念柱は語る;計画された都市―空間の尺度;目の中の光)
4. 空想の決算報告(三人の時計師と三つのロボットの冒険;精神状態の切手;幻視者の百科全書)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

lico

5
日本滞在時の紀行文、展覧会評、書評、エッセーと盛りだくさん。日本滞在時の印象は後にパロマーでも出てくるのだが、こちらはよりプリミティブでそれまで創作してきた彼の作品への示唆に富んでいる。例えば日本滞在時の大学生の通訳との断片的な事柄でのみかわされる会話などはフビライと会話するマルコ・ポーロを思い出させる。書評は当時は未訳でその後翻訳された作品も多い(マリオ・プラーツの『生の館』等)。『コデックス・セラフィニアヌス』の書評(幻視者の百科全書)がフランス語版にあるカルヴィーノの序文とは別物なのかが気になった。2023/05/23

ヴィオラ

3
エッセイ集。日本滞在記と様々な展覧会や本などに関する評論で構成。本当に色々な事物が登場して、カルヴィーノさんの好奇心の幅と深さに感心してしまうよ(^_^)地図の話や、架空の切手を作り続ける人の話などが印象的。セラフィーニの「CODEX〜」も取り上げられてます(^_^)…が、いかんせん図版が少なすぎて、そこだけ残念(´A`)2012/04/09

8123

2
紀行文、展覧会評、書評。冒頭に昭和50年の日本訪問記。「しるし」をみて因果を推測するが好きな人なので、思わせぶりな記号にあふれる「表徴の帝国」が気に入ったご様子。一歩ごとに風景を変える桂離宮の時間×空間の妙を味わう箇所は読みごたえあり。七月革命下のドラクロアの挿話もおもしろい。ドラクロアはバリゲートには向かわず、略奪からルーブルを守る為警護任務についたのだが、動乱の外界をよそに、芸術家同士で諍いが生じ、殴り合いに発展していたのだそうだ。しかも原因は政治問題ではなくラファエロの評価を巡ってだというからウケる2021/06/27

更新停止中

1
カルヴィーノのエッセイは初読み。「見る」ことが全編を貫いている感。「見る」こと、「読む」こと、未知であった何かと接するということ。理解ではなくて、まず「見るということは、相違を認識するということ」。これも絶版か。よろしいならば戦争だ(嘘)。2011/11/17

ケイエム

0
古本屋で購入。ページをめくるとカルヴィーノさんの直筆サインが…!?ま、印刷だったんですが。それでも夜の視力と脳が一瞬夢を見るには十二分でした。さておき、印象的だったのは紋切り型になりがちな絵はがきの写真への眼差しや、幻想や空想の捉え方。リアリスティックな見方をするのに最後には暖かみを感じ、はっとさせられる。いいなぁ、こういう眼差しを持ちたい。ある作品の説明がメサッジェっぽいなと思ったらそうだった。ボルタンスキーのパートナーだし、意図していないのに読んでる本がつながってる。2016/04/12

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/20269
  • ご注意事項

最近チェックした商品