なぜ夫は、愛する妻を殴るのか?―バタラーの心理学

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  • サイズ B6判/ページ数 286p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784878933561
  • NDC分類 367.2
  • Cコード C0011

内容説明

DV加害者研究の第一人者が、その心理分析・対策・治療を初めて体系的にまとめた、世界的基本書。

目次

第1部 バタラーとは、どのような男なのか?(バタラーは、どんな男たちか?;バタラーには、どのようなタイプがあるのか?;暴力の周期とは?)
第2部 “虐待的パーソナリティ”は、どのようにつくられるか?(さまざまな説を検証する;父親との関係―「恥辱」と「怒り」;母親との関係―「愛着」と「怒り」 ほか)
第3部 バタラーの治療は可能なのか?(治療グループでは、どんなことをしているのか?;脱暴力へ向けての助言)

著者等紹介

ダットン,ドナルド・G.[ダットン,ドナルドG.][Dutton,Donald G.]
家庭内暴力の加害者研究の第一人者。心理学博士、ブリティッシュ・コロンビア州立大学教授。バタラーの非暴力化のためのグループ治療を開発し、DV加害者への刑事司法政策のあり方を研究・提言してきた。嫉妬から元妻を殺害したとして注目を浴びた「O・J・シンプソン事件」では、バタラー心理の専門家として証言

中村正[ナカムラタダシ]
立命館大学応用人間科学研究科・産業社会学部助教授。臨床社会学の視点から、家族病理・社会病理を研究。カリフォルニア大学バークリー校で客員研究員として米国の家庭内暴力対策の研究後、日本のバタラーへのサポート活動を行なう「メンズサポートルーム」を主宰
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感想・レビュー

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katoyann

9
家父長制の概念のみでは男性DV加害者の心理は説明できないとし、心理学に基づき、家庭環境や個人の気質に焦点を当ててDV加害を分析している。 目から鱗、の実態を知ることが出来た。DV加害者の更生にとって最も「まずい」のは、アンチフェミニズム型の男性運動の影響と、それへの積極的な参画である、と説いている。 男性のDV加害について、フェミニズムによる文化主義的な説明を退けつつ、反フェミニズム的な男性運動の害を強調する。換言すれば、それだけミサンドリー概念が女性への暴力肯定の屁理屈を再生産しているというわけである。2020/08/21

tan_keikei

3
家庭内暴力の加害者心理の研究本。暴力に至った時の加害者の心理の考察、加害者のタイプ分類、発達段階での親子関係の問題に光を当てることで、どうすれば暴力をやめさせることが出来るのか、その可能性を探る。彼らの内面に渦巻く怒り、自己嫌悪、暴力、視野狭窄に途中ゲンナリしながら読了。サイコパスなど、どうにもならん相手に関してはどうにもならんとバッサリ切り捨てているところが正直だなあと思いました。2013/11/28

Red-sky

2
DV加害の背景には愛着問題、境界例、トラウマがあるとのこと。バタラープログラムでは加害者側の特性もありながら暴力の責任は自分にあることや内省をすることが重要とも書かれている。プログラムの実施やセラピーよりもグループセッションの方が効果が高いなど依存問題に通ずるものがあることをつくづく感じた。2019/04/14

ツボミ☆コンフォート

1
10年以上前に読んだ。もう日本語版は絶版のようで残念。DVの被害者側に立って書かれた本は多いが、加害者側の心理を分析した本は当時あまりなかった。相手がなぜそんな言動をするのかがわかって、謎だったことが腑に落ちた。この本で自分は救われた。2005/01/01

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