目次
海抜け
谷の研究
涙ぐむ目で踊る
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
simasima
11
続編。平坦で素っ気なくて、でもどこか透明で美しい日々。少し寂しくて、哀しくもある。ただ、冷たくはない。むしろほんのり温かい。どこまでも人肌。冷たくないかわりに熱くもない。内に籠った想いがいくら熱く滾ろうと、人肌に閉じ込められてじんわり立ち昇るしかない人生の温度。そう、人生はそれほど劇的でもドラマチックでもない。しかし、味わい深いものなのだと、この作品を読むと思う。言葉にならない想いが交わる彼らの日常。凛とした礼節。感動があるわけじゃないけれど、いつまでも噛み締めていたい余韻がある。極私的評価にてS。2014/12/22
yoshi41101
2
「千年の夜」の続編、しっとりとしているが希望が感じられる。女達が何かに耐えるように踊る海辺の祭り、谷の自然の姿、そして涙ぐむ目で踊る僕たち。見えないものを見、聴こえないものを聴き、ことばなきことばを感じる。直接語ることはほとんどない、だが何かが心に伝わる、そんな物語。僕もきっと喪った魂と出会えたのだと思いたい。2010/02/06
Quijimna
1
★★★★★2007/01/18